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猫の肥大型心筋症

獣医師スタッフブログ 2017.01.08 UP DATE.

先日、肥大型心筋症による救急で来院した猫さんがいましたので、肥大型心筋症について少しまとめてみようと思います。

 

救急で来院した猫さんの胸のレントゲンです。

来院時は重度の循環不全を起こしており、体温は32℃台まで下り、胸を大きく動かして努力性呼吸をしていました。

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横から撮影した胸のレントゲンでは、通常、中央に心臓が白く楕円に写り、周囲に空気を含んだ肺が黒く写りますが、

心臓の形が分からないくらい肺が白くなっています。

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エコー検査では、上半分に見えている左心室の壁が厚くなり内腔がほとんど広がらず、下に見える左心房はやや拡張しているようでした。

 

肥大型心筋症」というキーワードでインターネットで検索をかけてみると

「心筋症は、「心筋そのものの異常により、心臓の機能異常をきたす病気」ですが、そのうち、肥大型心筋症は、心肥大をおこす原因となる高血圧や弁膜症などの病気がないにもかかわらず、心筋の肥大(通常左室、ときに右室の肥大)がおこる病気で、左室心筋の異常な肥大に伴って生じる、左室の拡張機能(左房から左室へ血液を受け入れる働き)の障害を主とする病気です。」(難病情報センターより)

とありました。人の方では難病指定を受けているようです。

 

犬猫の心筋症は肥大型・拡張型・拘束型等の種類がありますが、

肥大型心筋症に限った話をすると発生は専ら猫で、犬では稀です。

メイン・クーン、ラグドール、アメリカン・ショートヘアーなどいくつかの猫種で、遺伝子の変異の影響や家族性があることが分かっているようなので好発品種があります。しかし、雑種猫での発生もあり、どの猫種でも発生する可能性はあると言えます。

発生年齢は子猫から老猫まで幅が広いので一概には言えませんが、5歳から7歳の中年齢、そして雄での発症が多い傾向にあるようです。

 

心臓の左心房・左心室は、肺から血液を受け取って全身へ送る働きを担っていますが、

肥大型心筋症では、左心室壁の心筋が内側へと肥大していくことで内側の空間が狭くなるため、

血液を受け取って送り出す機能が低下してしまいます。

初期の段階では低下した機能を補うために心臓が頑張るため、全身には大きな影響はなく症状が現れにくいですが、

限界を迎えると心不全となり症状が現れます

多くが心臓の限界を迎えるまで症状を示さないため、昨日まで元気にしていたのに突然具合が悪くなった、と受診され、

受診時には重症になっていることが多いようです。

 

病気が進行して現れる症状としては、

左心不全によるものと、血液がうっ滞する結果として発生する血栓によるものがありますが、

・元気食欲が低下し、じっとしていることが多くなる

・呼吸が苦しくなる(呼吸が荒い、口を開けて呼吸をするなど)

・失神する

・急に足が動かなくなり、激しく痛がる

などです。突然死という形で現れることもあります。

実際、「棚から落ちてから後ろ足が動かないし、すごく痛がるので骨折したのかも」と連れてこられて診察してみたら、

呼吸状態も悪く、実は肥大型心筋症からの血栓塞栓症だったという子もいたりします。

 

 

 

治療に関しては、現在のところ根治治療はありません。

病態・病機に応じての投薬治療を行い、進行を遅らせる・症状を緩和する・血栓を予防する、が治療の目的となります。

初期であれば定期検査のみということもありますし、救急であれば入院して酸素吸入下で問題に応じた治療となります。

予後はゆっくり進行する子もいれば、症状を発現してあっという間に悪くなる子もいるので様々ですが、

心不全や血栓症を発症した場合は長期生存は難しいようです。

 

肥大型心筋症の予防は今のところ残念ながらできません。

しかし、無症状で進行することの多い疾患ですので、健康診断で発見して、進行を遅らせる治療を行うことはできます。

少しでも長く楽しく一緒にいる時間を過ごせるように、若い子・元気な子でも定期的な健康診断をお勧めします。

健康診断について→ https://live-ac.com/prevention ※健康診断の内容・気になる病気などについては病院にご相談ください)

 

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