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お水をよく飲むマナトちゃん(お水を飲む量について)

獣医師スタッフブログ 2018.01.02 UP DATE.

先日、最近こちらに引っ越してきたので継続診察をしてください、と来院した少しおっとりとしたマナトちゃんのお話です。

高齢であるため、もともとの病気も幾つかあったのですが、

肝臓の数値が高く以前に肝臓が腫れていると言われていた、特に最近お水をよく飲むようになってきた、という点が気にかかり、

血液検査とエコー検査、尿検査を行いました。

 

 

…ここで、わんちゃんのお水を飲む量について!

フードの種類や形状、飼育環境などの影響を受けるので、お水を飲む量の正常がどれくらいかにはいろいろな話がありますが、

だいたい体重1kgあたり50ml前後(体重5kg)を目安にしていただくと良いと思います。(厳密にはややこしい計算をしなければいけません。)

その倍の1kgあたり100ml以上飲んでいると飲みすぎです。元気にしていても病気が隠れているかもしれません。病院で検査を受けましょう。

(猫ちゃんの場合は量が異なります。だいたい1kgあたり50ml以上飲んでいると飲みすぎを疑います。)

そうなってくると、うちの子は1kgあたり70ml飲んでいるけど大丈夫!?飲みすぎ??となるかもしれませんが、

その場合大事なのは、水の量やおしっこの量が変化してきているか?ということです。

以前よりなんだか飲む量や回数が増えてきている、おしっこも増えてきている(ような気がする)場合は、病気が出始めているかもしれません。

心配であれば病院で相談してください。

相談するまではお水は原則飲むだけ飲ませておいてください。

してはいけないのが、そういう場合に水の量を自己判断で制限することです。

お水を飲みすぎる状態のほとんどが、おしっこが出過ぎるために体の水分が足りなくことから起こってきます。

そのため、そこで飲み水を制限してしまうと脱水を起こしてしまいます。

 

ちなみに後日お家で測ってもらったところマナトちゃんの飲水量は4.3kgで500mlほどでした。

1kgあたり100mlを超えています。

尿比重(おしっこの濃さ)もかなり低くなっていました。

こういう場合にわんちゃん疑われる病気は、腎臓病と内分泌疾患(ホルモンの病気)、肝不全、尿崩症、高カルシウム血症、炎症性疾患など多岐にわたります。

中には対処が遅くなると手遅れになる病気もあるため、しっかりと調べる必要があります。

 

エコー検査の結果、両側の副腎が大きくなっているのが確認されました。

 

一通りの血液検査の結果と合わせてクッシング症候群という内分泌疾患が疑われたため、ACTH刺激試験というホルモンの検査を行いました。

結果、クッシング症候群であると診断されました。

 

◇クッシング症候群について

クッシング症候群は、お腹の中の副腎という組織にできた腫瘍や、脳の下垂体という副腎に指令を送る部分の過形成や腫瘍によって、

副腎皮質から分泌されるホルモンが過剰になることで起こります。

その他に、他の病気の治療が原因の医原性クッシングというものがありますが、ここでは省きます。

 

クッシング症候群の普段気づきやすい症状としては、

・水をたくさん飲んでおしっこをたくさんする

・食欲が旺盛になる

・お腹がたるんでぽっこりしてくる

・毛が薄くなってくる

・息切れしやすくなる

・筋力が落ちる

などがあります。

上にあげた症状は、8歳以上の高齢になってからの発症が多いこともあり、老化や痴呆や肥満と勘違いされがちですが、

その他に、血栓症を起こしたり、糖尿病を併発したり、免疫力が弱くなったり…などなど

クッシング症候群は全身に様々な悪影響を及ぼしてくる怖い病気です。

予防のできる病気ではないので、発症があれば早めに診断をつけることが、併発してくる病気を防ぐために大切です。

 

診断には、血液検査、画像検査、尿検査、ホルモン検査を組み合わせて総合的に判断する必要があります。

確定するには、ホルモン検査が必要ですが、ホルモン検査で誤った結果が得られることもあるので、

その前にその他の検査の結果から本当に疑わしいのかを吟味することが重要です。

 

治療は、下垂体性か副腎性か、腫瘍性か過形成かで異なってきますが、内科治療、外科手術、放射線治療があります。

完治はしませんが出過ぎているホルモンをコントロールするための内科療法を多くの場合でまず行います。

 

マナトちゃんも診断した日から、内服治療を開始しました。

コントロールがしっかりできるまでしばらくかかりますが、注意して経過を見ていこうと思います。

 

福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院

担当:獣医師

山﨑 大樹

ペットと人が一緒に楽しく暮らすために、生活に寄り添った万全のサポートのできるホームドクターが目標です。全力で頑張りますのでよろしくお願いします。

福岡動物メディカルパークリヴ動物病院

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