先日、生のとうもろこしを飲み込んでしまった、と慌ててやってきたのはシーズーのルチィーちゃんです。
前日の夜に、置いていたものをいつの間にか咥えていて、飼い主さんが慌てて取ろうとしたら、焦って飲み込んでしまったそうです。
吐いたりはしていないけれど、便が軟らかくなり、一時震えていたとのことでした。
エコー検査をしてみると、胃の中に塊状の異物を疑う像と、とうもろこしのツブツブを思わせる像が胃から小腸にかけて確認されました。
とうもろこしの芯はついつい口にしてしまう子が多く、消化はできない為、
ワンちゃんの腸閉塞の原因トップ3くらいに入る厄介な異物です。
状態が悪くになる前に、取り除けるのであれば早めに取り除いておきたいです。
その為の処置としては、
①薬を使って吐かせる方法
②内視鏡下で鉗子を使って摘まみ出す方法
③お腹を開いて胃を切って取り出す方法
の3つが挙げられます。
エコーでの確認の結果、かなりサイズが大きいため、催吐処置で胃内で引っかかってうまく出ない、
あるいは胃を出ても食道で引っかかってしまい、喉が詰まってしまう可能性も考えられたため、
内視鏡で確認して、取れるなら内視鏡下での摘出、ダメなら開腹・胃切開、と確実な方法での摘出を勧めました。
胃の中の画像です。とうもろこしのツブツブが確認できます。
格闘の末、なんとか内視鏡下で摘出できました。
よく飲み込んだねー、とスタッフみんなが言っていました。
ワンちゃん、特に若い子は、美味しそうなもの・楽しそうなものには敏感で、すぐに見つけてしまいます。
一度口に咥えてしまうと、今回のように回収しようとして慌てて飲み込まれてしまうケースがままあります。
好奇心の強い子、食欲の旺盛な子、嚙り癖のある子のいるお家では、ワンちゃんの目につくところに口に入れそうなものを置かない、
おもちゃは与えっぱなしにせず遊んだら片付ける、といった注意が必要です。
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院