[重要]
今回は須恵町周辺のワンちゃんを飼われている方への大切なお知らせです。
今年の10月のことですが、当院で二頭レプトスピラ症に感染した犬を診断しました。
レプトスピラ症(leptospirosis)は、病原性レプトスピラ感染に起因する人獣共通の細菌(スピロヘータ)感染症で、保菌動物(ドブネズミなど)の腎臓に保菌され、尿中に排出されるので、
ヒトや犬は、保菌動物の尿で汚染された水や土壌から経皮的あるいは経口的に感染します。
今回診断された犬は柴犬とフレンチブルドックで、一頭は須恵町、一頭は篠栗町在住でした。
特に発症前にドブネズミが多い地域に行った形跡もなく、普通に町で散歩をするくらいの生活スタイルなので、この病原体が私たちが生活する環境に普通に存在する可能性があります。
ヒトと犬の共通感染症が、私たちの生活環境に普通に存在するとしたら、これ程恐ろしいものはないですね。
当院では、犬用のレプトスピラワクチンも扱っていますが、基本的にインドアの生活スタイルのワンちゃんにはお勧めしてきませんでしたが、
これからは、地域の人の安全を守るためにも散歩に行く全ての犬にレプトスピラのワクチンをお勧めしようと思います。
ただし、レプトスピラのワクチンは1年間の持続効果はなく、半年も効かない(4−5ヶ月)ことも分かっているので、この地域がレプトスピラの汚染地域だとしたら、
本当の意味で「しっかりした予防を」と考えるなら最低でも年に二回のワクチン摂取が必要になります。
また、この二頭の共通点としては、なんでも口に入れてしまう性格で、散歩中に病原体が付着したものを口にしたのではと考えられますので、散歩中の拾い食いにも
注意を呼びかけていきたいと考えています。
獣医師 佐藤
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院