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肛門から出血するようになったコロクちゃん

獣医師スタッフブログ 2016.12.16 UP DATE.

最近お尻から血が出ているようだと来院したのはコロクちゃんです。

大きな体でおっとりとした、9歳で未去勢の秋田犬です。

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診察室で座ると床に少し血がつきました。

本人もお尻が気になるようで、時折後ろを振り向いて舐めていました。

そこでまずお尻がどうなっているのか見てみると…

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肛門周囲にしこりができて、そこから出血していました。触ると少し痛みがあるようで嫌がりました。

右上にも出血はしていませんが、しこりがあります。

今年の初旬にはお尻になんだか赤いような違和感を感じたということなので、明らかではありませんが、進行は遅そうでした。

 

高齢の去勢をしていないオスのワンちゃんで、肛門にしこりができている、じわっと時間をかけて大きくなっている、

となった時に一番に考えるのは「肛門周囲腺腫」という腫瘍です。

良性の腫瘍ですが、コロクちゃんのように、自壊と言って腫瘍の表面が破れてきてジュクジュクする状態になったり、

複数の腫瘤を作ることがあります。

 

腫瘍の自壊した部分は元どおりになることはないので出血と痛みが続きます

また肛門という部位の関係上不衛生になりやすく感染を起こす可能性が高いので、早急に腫瘤の切除を行うことになりました。

また、肛門周囲腺腫はアンドロジェンという男性ホルモンと関係している腫瘍で、精巣があるとホルモンの影響で肛門周囲腺腫がまたできる可能性が上がるため、同時に去勢手術を行うことになりました。

 

肛門周囲は皮膚に余裕があまりなく、すぐ下に肛門括約筋があり、また出血が多い、少し厄介な部分のため、

肛門の腫瘤の手術には出血の少ない半導体レーザーメスを使用しました。

(半導体レーザーに関して→ https://live-ac.com/examination

 

事前の検査で4つの腫瘤が見つかっており、肛門周囲腺腫に混じって、肛門周囲腺癌という悪性腫瘍やその他の腫瘍が発生していることがあるので、4つ全て病理検査へ送りました。

 

◎検査結果

4つ全て肛門周囲腺腫でした。

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◎術後

2週間後抜糸を行いました。

1週間ほど傷の赤みが続きましたが、きれいに治りました!

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良性できれいに取りきれていて良かったです。

今後は肛門の術後の合併症や再発に気をつけて見ていきたいと思います。

 

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