レモンちゃんの初来院は5ヶ月例の時でした。
ペットショップさんにずっと居たのを最近引き取ってきたそうですが、食欲はしっかりしているのに随分と痩せている状態でしたので、体重管理のお話をしっかりさせていただき、体重が順調に増加するか確認することにしました。
それから5ヶ月後、避妊手術の相談に来院されたレモンちゃんは、体重は増えていましたがまだ痩せている状態でしたので、状態の確認のために各種検査を実施したところ、血中タンパク質が低い状態(アルブミン2.5g/dL)で肝臓が小さく十二指腸の拡張所見も見られました。
先天性の肝障害もしくは胃腸障害を疑い、念のために避妊手術は延期して、まずは肝機能検査を実施することにしました。幸い肝機能には大きな異常は認められなかったので、低脂肪食とアミノ酸補給による栄養療法にて状態改善を目指すことになりました。
その二ヶ月後の検診では血中タンパク質の改善(アルブミン3.2g/dL)が認められましたが、体重は変わらず痩せていたので、避妊手術と一緒に肝臓と十二指腸の生検を実施することにしました。
↑手術前の緊張しているレモンちゃん
↑生検実施前の十二指腸
↑開腹手術での肝臓生検は傷口が大きめになります(今後、腹腔鏡による肝臓生検が可能になれば負担がかなり軽減できるようになります)
ということで、無事に避妊手術と生検を終えたレモンちゃんですが、検査の結果は肝臓が門脈低形成・腸管がリンパ管拡張症という診断に至りました。結果として肝臓と腸管両方に異常を持っていたレモンちゃんですが、幸い大きな症状もなく栄養支持療法で血中タンパク質の維持も出来ているので、このまま投薬などはせず管理をしていくことになりました。
今後とも定期検診をしながら健康を維持していければいいですね。
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院