今回は、脾臓にできもの(腫瘤)ができて摘出することになったいちごちゃんのお話です。
いちごちゃんは下痢になったりよくなったりを繰り返していて、食欲も元気もなくなってきたので来院されました。
検査してみると炎症の数値も高く、エコー検査でも胃腸炎の所見がみられました。
慢性化していましたが、急激に悪化して症状が出たと考えられます。
その場で入院にて点滴治療をすることになりました。
胃腸炎は治療反応が良く食欲がでてきたので、数日の入院で退院することができました。
実はいちごちゃん、その検査の中で、お腹の脾臓に大きな腫瘤ができていることが分かりました。
そのエコー画像です。
エコー上では3cmより大きな腫瘤が確認できます。
毎度のエコー検査で腫瘤の大きさの変化はなかったため、胃腸炎が落ち着いてから手術を検討することになりました。
脾臓はソノサージという凝固切開装置を使って摘出します。
摘出した脾臓の写真です。
腫瘤の大きさは5.0×4.5×3.8cmでした。
脾臓ごと病理組織検査に出して腫瘤内容の特定を行いました。
いちごちゃんはさらに歯石も多く、歯周病も重度になっていたため歯科処置も同時に行うことになりました。
処置前↓
処置後↓
右上顎の犬歯を抜歯することとなりましたが、歯肉縫合も行いきれいになりました!
術後の経過も順調で4日後には退院となりました。
検診では無事に抜糸し、元気食欲もいっぱいということでした。
病理検査の結果は『結節性過形成および血腫(非腫瘍性病変)』でした。
腫瘍性の病変は観察されないとのことでしたが、リンパ腫の初期病変も同じようにみられることがあるため、リンパ節の腫脹が今後ないか経過を追っていきたいと思います。
胃腸炎の悪化から手術も含め2度の入院としばらくの通院が続きましたが、内服やその他の治療しっかり頑張ってくれてとても元気になりました!!
12歳のいちごちゃん。今後もしっかりサポートしていきたいと思います!
福岡メディカルパーク リヴ動物病院