「いつもしないお風呂場のマットなどにちょこちょこおしっこをしている」と来られたのは猫のうらちゃんです。
初めて来られた時の尿検査の結果は、少しの出血とpHがやや高く、少し白血球が出ていたので
まずは細菌感染を疑い抗生剤の治療を行いました。
二度目の来院で症状はほぼ良くなり、血尿もないとのことで再度尿検査を行うと
出血は止まっていましたが、尿沈渣を顕微鏡で見たところ、次のものが見えました。
四角に見えているものが尿結石の結晶です。
この形は『ストルバイト』という尿石で、尿のpHが高くアルカリ性に傾くとできやすいとされています。
アルカリ性の尿は細菌感染を起こしやすく、同時に膀胱炎を起こすことがしばしばあります。
一度目の検査では出ていなかったのですが、尿がアルカリ性寄りであったため、
細菌感染を起こし、膀胱炎の状態で頻回尿になり、トイレ以外のところで排尿してしまう症状が出たのではないかと考えられます。
そして二度目の尿検査でストルバイト尿結晶が出ているのを確認できたため、
フードによる尿結石溶解及び尿石の再発防止を目的とした治療を開始しました。
尿結石にも色々と種類がありますが、今回うらちゃんがなってしまった尿石はフードでpHの値をコントロールし、
尿を薄く保つことによって溶かすことのできる種類でした。
今後もこのまま尿結石がないままフードで維持できるかサポートしていきたいと思います。
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院