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骨肉腫のお話

獣医師スタッフブログ 2017.12.04 UP DATE.

骨肉腫」というがんがあります。

おどろおどろしい雰囲気のいかにもな名前で、人の方でも一般によく知られている腫瘍ですが、犬や猫でも発生します。

先日、その腫瘍と診断された子がいたので、少しまとめてみようと思います。

 

骨肉腫は犬の骨から発生する腫瘍として最も多く、骨格系に発生する悪性腫瘍の85%を占めます。

大型犬、超大型犬での発生が多いですが、小型犬で発生しないわけではないです。

中年齢~高齢(平均7歳)での発生が多いですが、分布は幅広く、1歳半から2歳での若齢発症も少なからず存在します。

骨肉腫の約75%は四肢に発生します。特に前肢での発生が多いようです。

一般的に、骨肉腫は発生した部位を侵す力が強く、そこで激しい骨破壊を起こします。

そして転移性も高く、早期に遠隔転移が生じます。

転移先は肺が最も多いですが、他の骨や軟部組織への転移もありえます。

 

骨肉腫の症状としては、跛行や腫れから始まることが多く、だんだんと強い痛みが発生し、それによって元気・食欲の低下が生じます。

診断にはレントゲン検査と病変部の骨組織を取ってくる骨生検が必要です。また、転移の確認に全身の血液学的・画像的評価も必要です。

 

転移性の高い腫瘍のため、治療の第一の目的は完治ではなく、骨の病変から生じる激しい痛みの緩和になります。

ただし、骨肉腫による痛みの制御は非常に難しく、一般的な薬を使うのみでは痛みを抑えきれないため、

第一に選ばれるのが、四肢であれば断脚のような、痛い病変を取り除く、緩和のための積極的な外科手術です。

ただし、外科手術のみでは転移の制御が不十分なため、その後に化学療法を行うのが、現在最も長い生存期間を期待できる治療です。

その他に放射線治療も局所の痛みの緩和に有効ですが、実施できる施設が限られているのと転移を抑制できないのがネックです。

手術を希望されるない場合や実施できない状態の場合は、オピオイドや骨破壊の抑制剤などを併用した積極的な疼痛緩和の内科療法が必要です。

予後に関しては、いろいろなデータがあるので詳しく書くのは難しいですが、

断脚と化学療法を組み合わせた積極的な治療で、生存期間中央値が1年ないくらいです。

 

◇症例

ゴールデン・レトリーバー 11歳 去勢オス

3ヶ月ほど前から左前足を着きたがらず、一度はまた着くようになったがまた最近着けなくなり、肩が腫れてきたと来院されました。

レントゲン検査の結果、局所的な著しい骨病変が確認されました。

骨肉腫に典型的な所見が得られたことから、早期の診断のためにそのまま骨生検を勧め、鎮静下での骨生検を行いました。

病理検査の結果、骨肉腫と診断されました。

 

 

骨肉腫は非常に痛みが強く、しかも転移率も高いため、

診断された時点から余命を考えなければならず、本人のとってもご家族にとっても非常に苦しい病気です。

しかし、本人とご家族がいかに楽に暮らしていけるか、を念頭に置いた治療を、ご家族と一緒に考えながら行うことで、

少しでも苦しみの少ないケアを行っていきたいと考えています。

 

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