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火傷をしてしまったキッカちゃん

獣医師スタッフブログ 2019.04.17 UP DATE.

先日、部屋の中で同居猫同士でケンカをしていて、ストーブの上のヤカンをひっくり返してしまった、と来院したのは

ちょっと珍しい茶トラの女の子のキッカちゃんです。

この写真でもよく見ると耳の先や頭に火傷が確認できます。

元気だったので数日様子を見ていたら、皮膚がただれてきたとのことでした。

お湯が飛び散って全身色んなところに浴びたようでしたが、一番ひどいのは背中でした。

葉書大の範囲でⅡ度 〜Ⅲ度の火傷がありました。

今回は、背中の火傷に対して侵襲の少ない湿潤療法を用いて管理することにしました。

 

【湿潤療法とは】

・傷(火傷、皮膚欠損)を乾かさずに、文字通り湿った状態を保ってあげることで、

体が出す組織の修復に関係する因子を傷に留まらせて皮膚の再生を促す

・消毒すると細菌と一緒に再生している細胞までダメにしてしまうので洗浄はするが消毒はしない

という理論の治療法です。

ガーゼが張り付いたりしないので、包帯の交換の時にペリペリと痛い思いもしなくて済みます。

※方法は簡単なので調べるとすぐ出てきますが、汚染がひどい場合や傷が深い場合、抵抗力が低下している場合など

適応外がありますので、ご自宅で安易に行わないでください。

 

覆わなければいけないので、全身にできるわけではないので、今回は背中だけこの方法をとりました。

 

【やけどの対処について】

基本的には人と同じですぐに冷やしましょう。

ただし、流水で冷やすのは難しいので、濡れタオルや保冷剤をタオルで巻いて患部に当てるなどして冷やしてください。

動物の場合、毛でどこにやけどがあるか分かり難い場合がありますが、怪しいところは冷やしましょう。

その上で早めに動物病院に連れてきてください。

また、今回のような場合や低温やけどなど、どういう状態か分からず数日して皮膚がただれてきた場合は、

皮膚のただれが徐々に広がってくる可能性もあるので、早めに病院にかかってください。

その際、先に自宅で消毒や軟膏を塗ったりはしていただかなくて大丈夫です。

ただし、薬品をかぶってただれたような場合のような例外では水洗があらかじめ有効な場合もありますので、

まずは動物病院に問い合わせてください。

 

〜1ヶ月後 〜

かなり皮膚が戻ってきました!耳は欠けてしまいましたが、背中はかなり良いです。

 

皮膚がほぼ元どおりになるのには、ここからさらに1ヶ月弱かかりましたが、

背中の火傷は毛のおかげもあってあまり目立たないレベルまで回復してくれました。

 

キッカちゃんがお利口に包帯を交換させてくれたおかげです。本当によく頑張ってくれました!

 

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