急に鼻の左下だけがただれて赤くなってめちゃくちゃ気にしてると来られたキラくん。
初めに来られたときは少し赤みが広がっていて舐めてただれてしまっている状態でした。
外因的なものによる感染か外傷かを疑い、抗生剤の治療をしてみましたが
ますます赤くなって範囲も広がり、気に仕方もひどくなってしまっていました。
抗生剤も効かず、局所的な病変でますます悪化したり、悪性のものであると後手になってしまうと判断し
麻酔下で皮膚のパンチ生検という一部分切り取って病理組織検査に出すことにしました。
生検時麻酔下の写真です。
結果が出るまで抗生剤での治療を続けていきましたが、劇的な良化は認められず、少し腫れがひいているくらいで検査結果を待ちます。
検査の結果
「皮膚:毛幹内の菌糸および分節分生子を伴う多発性の毛包周囲炎および毛包炎」
つまり皮膚糸状菌症の深在性病変であることがわかりました。
組織画像です。
Aと書いているのは分節分生子というもので、Hは菌糸です。
毛幹部にこのように糸状菌(学名:Microsporum canis)と呼ばれる被毛に感染するカビの一種が感染していることがわかりました。
塗り薬は舐めてしまうので内服薬での治療を始めます。
赤みや腫れはだいぶ良くなっています。
気に仕方も減ったとのことです。
すっかり良くなりました!!
まったく気にしなくなって赤みもひいたのでこのまま治療終了となりました。
皮膚糸状菌(別名・真菌)は人にもうつり皮膚病変をつくり、痒みを引き起こします。
ウッド灯検査で診断ができることや培養検査、抜毛検査でわかることもありますが、今回はどれも陽性に出ず、結果病理検査で診断がついた症例でした。
抵抗力が落ちているときに感染しやすいと言われており、しっかり治療すればほとんどが治る病気です。
今回キラくんは急性で局所的な感染でしたが最後までしっかり治ることができてよかったです(^^)
今後もサポートしていきたいと思います。
福岡メディカルパーク リヴ動物病院