先日、屋根から雪が落ちる音に驚いて、お家から脱走してしまった柴犬のひなちゃんのお話です。
その日のうちに保護されて無事にお家に帰ることができたのですが、
どうも脱走してから前足を痛がっている、ということで来院されました。
来院時には、だいぶ跛行も落ち着いてきた、とのことでしたが、
触診を行うと左肩の痛みが確認されたため、レントゲン検査を行うことになりました。
すると…
肩の骨にはレントゲン上で明らかな異常は確認されませんでしたが、
胃の中に何かが…
向きを変えると…
ネジのようなものと石のようなものが確認されました。。
特にネジの方はやや先が尖っているようで、そのままにしておけません。
胃の中にご飯がたくさん入っていることから、そのままでは内視鏡での摘出は容易ではないと判断したため、
ネジで食道を傷つけてしまうリスクはありますが、まずお薬を使って吐かせてみることにしました。
うまくご飯に包まれて、きれいに吐き出してくれました。
催吐処置を行ったため、この日は足の痛みに対してはお薬はなしで、安静で改善をみることにしました。
庭で食べたのか、脱走後に外で興味本位で食べてしまったのかはわかりませんでしたが、
また繰り返してしまわないように、お家の整備をご家族にはお願いしました。
足の方の経過もしっかりみていきます。
お家から脱走してしまうこと自体は多くはありませんが、
脱走中に変なものを口にしてしまうことはよくあります。
事故や怪我だけでなく、腸閉塞や中毒を起こす、ということもありますので、脱走にはくれぐれもご注意ください。
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院