そのため、時間を稼ぐ一時的な救命処置として、
体外から腎臓に直接カテーテルを挿入して尿を出す、腎瘻カテーテルの設置術を行いました。
リスクの高い状態でしたが、なんとか周術期を乗り越え、腎瘻設置後はどんどん状態が回復してくれました。
ただし、腎瘻には ①ズレやすい ②感染のリスクがある という管理上の問題があります。
何日脱落せずに入っていてくれるか分からないため、急いでもう1セットのSUBシステムをなんとか手配し、
左側の腎瘻が抜けてきたその日に、ギリギリ間に合いました!
これは術中の画像です。
レントゲン透視下で腎盂(腎臓の尿を集める部分)を確認しながら腎臓内にカテーテルを設置します。
術後のレントゲンです。
先だって行った腎瘻と違い、カテーテルに脱落防止の工夫がしてあり、抜けにくくなっています。
腎臓からでたカテーテルは、一旦皮下に出てチタン製の洗浄ポートに繋がり、
再度腹腔内に戻って膀胱に開口します。
SUBシステム設置術は他の術式と比較して、術式が簡易で手術時間が短縮できます。
また、洗浄ポートを介して定期的にカテーテル内の洗浄を行うことで、再閉塞のリスクを軽減することができます。
ママちゃんは術後にやや紆余曲折はありましたが、持ち前のタフさで回復して、
今は腎臓の数値が基準値内におさまるほどで、元気にしています。
ママちゃんは物凄く頑張ってくれました!
定期的にメンテナンスが必要ですので、今後もしっかりとケアしていきます。
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院