こんばんは、獣医師の中尾です。
コロナウイルスで外出自粛のため、
あまり興味がなかった洗車をするようになりました。
久留米から通っているため、虫がバンパーやナンバープレートに張り付いています。
また黄砂でガラスが汚れています。
洗車をするようになって、今まで意識してませんでしたが、
思っていたより汚れてるなぁと感じました。
ちなみに大学時代は桜島の火山灰で、灰まみれになっていたため、
車の汚れに対する感覚が皆さんとずれているかもしれません。笑
思ったよりも運動になるので、お勧めです。
今回はほっぺが腫れているとのことで来院されたマイケルちゃんです。
少し見えづらいかもですが、左のほっぺがぷくっと腫れています。
触った感じはやや柔らかく、ブニブニした感触でした。
明らかに腫れる場所ではないため、針を刺して検査することにしました。
抜けたものはこの大量の膿でした。
膿を顕微鏡で見てみると、たくさんの白血球と3種類の細菌が確認できました。
今回は外科的処置(切開して洗浄など)を希望されなかったため、
可能な限り吸引し、抗菌薬を処方しました。
お薬に反応して膿は少なくなりましたが、1週間後に細菌がまだ残っていたため、
細菌培養検査(どんなばい菌がいて、どの薬が効く・効かないを調べる検査)を実施しました。
この検査が細菌感染時の治療にすごく重要です。
なぜなら、特に人の医療でも問題になっている、
耐性菌(抗菌薬が効かない細菌のこと)のリスクを減らしていけることと、
意味のない治療をせずに済む可能性が増えると考えられるからです。
効かない薬を飲ませるのは、飼い主様的にもわんちゃん・ねこちゃん的にも、
負担になっていきます。(飲めない子に飲ませるのって大変ですよね・・・泣)
また、将来病気になって細菌感染が起こった場合に、
耐性菌のせいで使える薬が少なかったり、注射しかなかったりすると、
その時の治療の大変さや費用の負担は辛いものになります。
その事態を避けるために、検査できる場合はしっかり検査していきましょう。
獣医師だけではなく人のお医者さんが薬を処方する場合は、必ず意味があります。
そのため、出された薬はしっかり飲み切るようにしましょう。
飲みきりじゃなくて大丈夫な場合は、先生から指示が出るためその指示に従ってください。
ちなみに3〜4週間後のマイケルちゃんです。
ほぼ腫れは引いており、膿も吸引できなくなりました。
元の小顔に戻りました。
今回は綺麗に治ってくれましたが、
細菌感染は油断したり、適切な抗菌薬を用いなければ、
全身へと感染が広がり命を脅かすこともあるため注意です。
特に外に出る猫ちゃんは注意して下さい(けがしやすいため)
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院