今年の4月に当院の健康診断(標準Bコース)を受けたのはヨークシャテリアのキャンディちゃんです。
血液検査、ホルモン検査、心電図検査などには特に大きな異常はありませんでしたが、お腹のエコーで少し異常がありました。
キャンディちゃんの場合は胆嚢に胆泥が溜まっている所見がありました。
◎胆嚢のエコー所見
キャンディちゃんは、この健康診断を受けた日から胆汁の動きをよくするお薬を飲み始めました。
約3ヵ月後のキャンディちゃんの胆嚢は、きれいに胆泥がなくなっています。(エコー画像を撮る方向は違います)
今回、キャンディちゃんは元気・食欲もあり血液検査でも異常はありませんでしたが、健康診断としてお腹のエコーまで行ったから発見できたものです。
胆泥症は、胆嚢の中に含まれている胆汁が変化して砂状~軟泥状になった状態です。初期の状態では大きな臨床症状はないため、今回のようにエコー検査で見つかったり、血液検査で肝臓系の数値の上昇で疑われる事があります。
しかし胆嚢の管が閉塞したり、細菌感染を起こすと元気・食欲が低下したり、嘔吐や黄疸がみられます。重度な症状がある場合は早急な外科処置が必要となります。
普段の生活で気づくことが難しいものではありますが、健康診断で発見できるものもあるので是非受ける事をおすすめしています。
キャンディちゃんは、お薬をやめて約2ヶ月経ちますが現在も胆泥の再発はありません。今後もキャンディちゃんをしっかりサポートしていきたいです。
健康診断のご相談がありましたら、気軽にスタッフにお問い合わせください。
獣医師 平湯