今回は、足を骨折した子猫のクロちゃんのお話です。
クロちゃんは8月中旬に「遊んでいて高いところから落ちたみたい。声を出して痛がり、足を引きずっている。」とのことで急いで来院されました。
診てみると確かに右後肢に負重がなく、痛みがありました。
外から見て明らかな異常は見られなかったため、骨に異常がないかレントゲンを撮影してみると…
(↑横からの画像 ↓前からの画像)
膝から下の部分の脛骨という骨が真ん中辺りで斜めに折れていました。。。(レントゲンは固いものが白く、空気が黒く写ります。)
骨折線のずれがほとんどないこと、骨折部が関節から離れていること、当時4ヵ月齢という成長期であったことから、手術はせず外からの固定で経過をみていくことにしました。
(↑固定後の写真)
家でのケージレストによる絶対安静を徹底してもらい、固定のずれがないか骨のずれがないかみていきます。
●骨折3日後…
外固定の巻物が少しずれてしまいましたが大きなゆるみもなく、このまま巻き直さずに経過をみることにしました。
●骨折8日後…
(↑横からの画像 ↓前からの画像)
大きなずれもなく骨折部を架橋するように骨ができてきています。順調です!
●骨折15日後…
(↑横からの画像 ↓前からの画像)
さらに骨折縁や骨折部が不明瞭になってきているので、骨組織が順調に作られています。
ここまでケージレストと外固定で順調にきたので、この日巻き物を外して骨折した足に少しずつ負重させていくようにしました。
●骨折22日目…
(↑横からの画像 ↓前からの画像)
骨がだいぶできてくっついてきました。基本はケージレストですが、少しずつリードをつけての室内散歩をしてもらい、足に体重をかける機会をしっかりつくります。しかし、ジャンプは厳禁。まだまだ油断は禁物です。
●骨折29日後…
順調なので人の膝くらいの高さの上下運動も始めていきます。
●骨折49日後…
(↑横からの画像 ↓前からの画像)
骨折線も不明瞭になり、脛骨の辺縁もしっかりつながりました!
歩き方も問題なく、無事に外固定だけで良くなりました。
今回は他にも猫さんを飼っていらっしゃるお家なので、ケージレストによる絶対安静がいかにできるかがとても重要でした。
遊び盛りの子猫さんなので大変だったと思いますが、しっかりと安静ができたことで手術をせず短期間の外固定で治すことができました。
クロちゃんもご家族の皆さんも頑張っていただいたおかげで順調に治すことができてよかったです(^^)
獣医師 木村
福岡メディカルパーク リヴ動物病院