先日、朝から足を痛がりだして、夕方帰ってみたら全然地面に着かなくなっていた、と来院したチョコちゃんのお話です。
シャイな子でなかなかカメラの方を向いてくれません。
明らかに左足を痛がっていて、手首が腫れていました。
お話を聞いていくと、ここ1、2ヶ月ほど、色々な足で足を突っ張ったりビクビクさせたりする症状が出ていて、
前夜もそれが心配で一緒に布団で寝ていたとのことでした。
最近近くに引っ越してこられたそうで、今回の症状はビクビクする症状の診察はどこが良いだろうと考えていた矢先のことだったそうです。
触診で明らかに関節が腫れていたのでレントゲン検査と、ケイレン様発作の鑑別のために簡単な神経学的検査と血液検査をまず行うことにしました。
単純レントゲンと採血は何事もなく終わりましたが、採血が終わった後飼い主さんにお返ししようとしたら、発作が起こりました。
(発作動画→IMG_5596 2) ※音量に注意してください
レントゲンでは手首の関節の腫れが確認され、聴診・血液検査・神経学的検査で明らかな発作の原因は特定できませんでした。
手首に関しては、それ以上の追加検査は発作の悪化のおそれがあるため、その日は行わず、消炎鎮痛剤と安静で経過をみることになりました。
原因ははっきりしませんが、発作の頻度を考えるに、寝ている間に発作が起きて痛めてしまった可能性がありました。
手首の件で来院されたのですが、心配なのは発作です。
7歳以上での発症の可能性があって、数ヶ月で頻度の増えているてんかん様発作は、脳炎?出血?脳腫瘍?などなど悪い方を考えてしまいます。
手首を痛めた原因になっている可能性も高いので、MRI検査による原因追求をご提案し、2日後に検査に行っていただきました。
結果は、脳に病変はなく特発性てんかんを疑う、というものでした。
てんかんはてんかんで厄介な病気ですが、脳炎や腫瘍などでなくて良かったです。
ということで、てんかんの投薬治療を開始して、今の所発作は落ち着いています。
足の方も、消炎鎮痛剤の投与1回と安静で良くなりました!
まだこれから皮膚の方の治療もありますので、発作に注意しつつ、しっかり診察を続けていこうと思います。
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院