今回は突然目の下の頬は突然腫れてきたチワックスのまるちゃんのお話です。
「腫れてきた」と言って来られた時の写真がこちらです。
数日間で急激に腫れており、歯石も多くついていたので歯周病から、歯根部が細菌感染を起こし、膿が溜まり、皮膚に向かって瘻管と呼ばれる穴ができたことが原因であると考えられました。
歯科処置の日程を決め、それまで抗生剤で腫れを抑えようとしましたが…
3日後にはますます腫れています。
すぐに歯科処置の予定を入れていたので、まずは歯科処置を行うことにしました。
歯垢がかたまり、歯石が付いている歯がたくさんあります。
右もかなり汚れています。
これらの歯をスケーリングで歯石除去し、歯槽が弱り歯周ポケットが深くなり過ぎている歯に関しては抜歯の処置を行いました。
悪くなった歯は残しておいてもさらなる歯周病を招いたり、痛みが出たりと良くなることはありません。
抜歯をして生活に支障が出ることもほとんどないため、抜歯の処置はとても重要な治療となります。
歯科処置後の歯の写真です。
歯石を綺麗に除去し、右上顎の犬歯も含め抜歯・抜歯後の歯肉縫合の処置を終えています。
処置後、1週間ほどの写真です。
腫れはだいぶ引いています。
腫れの中身は少しとって顕微鏡で見ると好中球と細菌がいたので、膿が溜まって膿瘍となっていたと考えられます。
もう少し時間が経つと腫れは引いて少し皮膚に炎症の影響が残っているだけになりました。
ご飯もしっかり食べれて、口の中のトラブルもなく順調に良くなっています!
今回のまるちゃんのように急激な症状として顔にできものができたようになることがあり、
その原因が腫瘍だけでなく、「歯」から来ていることも少なくありません。
このような変化があればきちんと原因を特定し治療しないと、自壊して痛みを伴うことも多く、治療が遅れてしまうこともあります。
まずは日頃から歯周病予防で歯のケアをすることがとても大事ですが、何かこのように変化に気づかれ際はお早めに診察に来られることをおススメします。
いつでもご相談ください!
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院
獣医師 木村