いろいろな疾患で継続治療中ながらも、いつも元気なマルチーズのココちゃんのお話です。
急な痛みの症状が生じて経過診察中のことでした。
痛みの原因として口の中にトラブルがありそうで、そこから痛みが生じているようでしたので、その精査をしようという予定の日でした。
なんだか痛み止めで痛みは改善しているようだけど、右目の涙が増え右の唇が下がってきた、とのことでした。
そこでお顔を見てみると…
全体的に右のお顔が下がっているように見えます。
詳しく検査をしてみると、右の顔の感覚が無いようです。右目だけ涙が多いのもまぶたが閉じられないからのようです。
この状態を「顔面神経麻痺」と言います。
顔面神経麻痺は顔面神経にいろいろな原因で機能不全が生じることで起こります。
外傷や炎症、腫瘍から甲状腺機能低下症や、重症筋無力症など疑うべき原因の幅が広いです。原因がはっきりせず、特発性といって、突然起こることもあります。
原因特定には段階を踏んだ検査が必要で、MRIが必要となる場合もあります。
原因がはっきりする場合はその治療を行うことで改善が見込めますし、特発性でも対症治療のみでだんだんと改善してくることもありますが、
麻痺が後々まで残ってしまう事もあります。
ココちゃんはMRI検査が必要と判断し、末梢側と中枢側の両方に軽度の炎症が確認されました。
今までアトピー・アレルギーの関係で外耳炎を繰り返しているため(現在外耳炎は落ち着いていますが)、そこからの感染を疑い、
抗生剤の投与を行って反応を見ていくことになりました。
原因の特定と治療の判断の難しい病気ですので、今後の経過のケアをしっかりと行おうと思います。
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院