先日、散歩中に急に足を痛がりだしたと来院したのは、お散歩大好きスンギちゃんです。
お庭の草にかがんで何かしている時に急にキャンキャンと言い出し、
駆け寄ってみると背中に小さなハチがとまっていた、とのことでした。
そこからは左の前足はほとんど着かない状態ということだったので、
全身状態をチェックし、左の前足を触っていると、手首のあたりに熱感と小さな硬いものが触りました。
(この位置です。写真は2日後の治療過程の様子ですが、まだ赤いですね。最初はもっと腫れていました。)
毛を刈ってみてみると何かが刺さっていたので、慎重に抜いてみました。
それがこれです。
写真が悪いですが、2〜3mmくらいの小さなものです。
これが何かというと、「蜂の針」です!
刺された場所から考えるに、おそらく遊んでいる最中に、たまたま蜂を踏んでしまったのでしょう。
刺されてすぐ病院に来てもらえたので、早い段階で処置をすることができました。
蜂に刺された場合、早めの処置が大切です!
腫れもひどくなりますし、痛みも長引きます。
すぐに動物病院にかかることができない場合は、
刺された場所を確認し、針が残っていたら慎重に抜き、できれば流水下で毒を絞り出して、冷やしてください。
痛がるので無理はしないようにしてください。
それと注意したいのが、人でも有名な「アナフィラキシーショック」です。
数分から数十分の短時間で起こってくる急激なアレルギー反応なのですが、蜂の毒の強さに関係なく起こってくることがあります。
これが起こった場合は、早急に対処をしなければ命に関わります。
主な症状はとしては、血圧低下、じんましん、呼吸困難、嘔吐、意識障害などです。
目に見える変化として、顔が腫れ上がったり、血圧の変化から粘膜が真っ白 or 真っ赤になったりなどがみられることもあります。
ひどい場合は急に倒れてしまうこともあります。
蜂に刺された場合、並行して行うことが多くて大変ですが、
応急処置をしつつ、病院に向かう準備をしつつ、様子の変化をよく見ておく必要があります。
ただし、散歩中に急に痛がりだした場合、何が原因なのかわからない場合も多いです。
虫に刺されたにしても蜂なのか毛虫なのかその他の虫なのか、それともガラスや植物が単純に刺さったのか、
骨・関節や神経・血管のトラブルなのか…
大切なのは痛がっている子の状況を冷静に確認することです。その上で動物病院に連れて来てください。
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院