先日、皮膚にブツブツができて痒そう、と来院した外飼いの猫ちゃんが来院しました。
診察をしたところ、首から顔周りに湿疹と脱毛、そして黒いブツブツが散見されました。
黒いブツブツが動いたので、捕まえたところ…
マダニでした。
まだ若ダニなのか小さく1〜2mm程度でした。
探してみると体のいたるところにダニの寄生が認められました。
(おうちでは捕まえようとしないでください!!)
急いで薬をつけて駆除を行いました。
◉最近マダニから人に感染する病気がニュースに取り上げられていることをご存知でしょうか?
マダニの媒介する病気はいくつもありますが、最近取り上げられている病気は
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
というものです。
2011年に中国の研究者らによって報告され、2013年1月に国内で初めて感染例が確認されてから、
続々と発生報告が増えている、致死率20%の恐ろしい病気です。
SFTSの発生動向をみると1年を通して発生がありますが、特に5〜8月の発症が多い傾向があります。
注意すべき時期に入っています!
SFTSの感染経路は主にマダニに咬まれることですが、血液等の患者体液からの感染の可能性も指摘されています。
またSFTSウイルスは動物への感染も証明されており、室内飼育犬での感染も報告されています。
つまり、感染した動物からの感染の可能性もあります!
感染対策としては、
①草の茂ったマダニの生息する場所に入る場合には、マダニに咬まれない予防措置を講じる
②マダニをペットに寄生させないようにする
の2点が重要です。
今まで動物病院では、主に動物の病気を防ぐためにノミ・ダニの予防を勧めていましたが、
人を守る為にもノミ・ダニの予防は重要になっています。
また、最近は今までのノミ・ダニ薬に耐性を持つノミの存在も確認されています。
ノミ・ダニ薬の選択も重要になってきていますので、ご相談はお気軽に病院までお越しください。
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院