顎の下のできものが破れて出血が止まらない…と来られたのはフレンチブルドッグのうつぼちゃんです。
以前よりあったできものですが一年に一回ほど出血することがあり、
摘出の手術をするか迷いながら経過を見てきました。
毎回出血してもしばらくすると止まって落ち着いていましたが今回は出血がなかなか止まらないということで
摘出することになりました。
切皮前のできものです。
手術範囲をわかりやすくするためにペンで周りを囲って印をつけています。
しっかりした範囲で取ることができました。
病理検査の結果も良性の「アポクリン腺腫」というもので
皮膚の分泌上皮由来のものでした。
犬に発生が多く、8〜11歳頃に多く発生し、頭頸部に多くできるものです。
今回のように出血を繰り返す状態であれば摘出の手術を行います。
今後の再発の可能性もないものでよかったです!
うつぼちゃんは同時に鼻孔拡張術と軟口蓋切除術を行いました。
うつぼちゃんのような短頭種は「軟口蓋」と呼ばれる喉の奥の気管と食道の入り口を分ける蓋が長く、
鼻の通り道が生まれつき細く狭いことが多いため、短頭種気道症候群になっていることが多いです。
今回麻酔をかけての手術であったこともあり、麻酔から覚めた後の呼吸がしにくく呼吸困難になるのを防ぐためにも
鼻の孔を広げ、軟口蓋を短くする手術を行いました。
短頭種でいびきをかいて寝ていたり、呼吸がガーガー言ったりしている子は
実は常に息苦しい状態であるかもしれません。
短頭種はもともと呼吸音がするイメージがありますが、手術で呼吸状態を改善させて今後の悪化を防ぐこともできるので
特に若いうちにご相談いただけたらと思います。
体は大きいですがとてもお利口なうつぼちゃん。
手術がんばりました!
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院