家で走り回っていて、急に右後ろ足を着けなくなった、と来院したのは、寂しがり屋のココアちゃんです。
後ろ足の異常は前日の夜からで、足は全く着かないが極端に痛そうでもなく、ご飯も普通に食べた、とのことでした。
整形外科疾患が疑われたため、まず視診・触診を行いました。
すると、確かに右後ろ足は全く使うことができず、かつ、強くはありませんが膝の痛みがあるようでした。
膝関節の単純レントゲン検査では明らかな異常は確認されませんでした。
膝関節は覚醒下でのレントゲン検査では異常を発見できないことが多くあります。
消炎鎮痛剤、レーザー治療の反応がなかったため、後日、鎮静下でのレントゲン検査を実施しました。
すると、
写真だと分かりにくいですが、脛の骨が少し前にズレており、関節内の脂肪組織が腫れています。
また、鎮静下での触診で大きく脛の骨がずれるのが触知されました。
以上より、前十字靭帯断裂と診断し、手術を勧めました。
そして数日後に、前十字靭帯の切れてしまった膝関節を人工物で補強する手術を行いました。
写真は手術前の毛を刈りあげた状態の写真です。
刈ってみると皮膚が荒れていたため、清潔に手術を行うためのシートを使用して手術を行いました。
1週間程度の入院の後に術部の腫れなどの評価を行ってから退院し、徐々に足を使えるようになってきています。
自宅でのリハビリを頑張っていただきました。
膝の手術は再発率が比較的高く、また前十字靭帯断裂は一度発症した場合、その後に反対側の脚でも発症する確率が高いため、
今後もしっかりと機能回復ができるかも含め、経過をフォローしていこいうと思います。
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院