先日、他疾患の治療中に下痢がはじまったのは、おしゃべりな保護仔猫のちくわちゃんです。
皮膚糸状菌症が広い範囲に広がっていましたが、
初診時からしばらくは他の病気のことがあったため治療開始を延期しており、
やっと回復してきたので、シャンプーなどの外用療法を開始したところでした。
体毛に感染した糸状菌の胞子の写真です。
丸いものが全て胞子です。
シャンプーで体が冷えちゃったかなー、と言いつつ便を検査してみると…
コクシジウムのオーシスト(卵のようなもの)が検出されました。
コクシジウムは原虫に分類される寄生虫です。
仔猫のうちに母猫の糞便などから経口感染することがほとんどで、感染があっても最初は無症状のこともあります。
免疫力が低下するなど何かしらのきっかけで増殖して、下痢・嘔吐などの症状を起こしてきます。
多くの場合、体力・抵抗力の弱い仔猫で問題になります。
皮膚糸状菌とコクシジウムは、保護猫さんでよく診る疾患です。
どちらもしつこい感染症なので粘り強く治療を進めたいと思います。
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院