先日、右後ろ足を痛がると夜間救急に行き、紹介でやってきたスフレちゃんのお話です。
とってもお利口さんなマンチカンの子猫さんです。
なんでも、物音に驚いて抱っこから飛び降りてしまい、それから症状が出ている、とのことでした。
明らかに右足の着きかたが悪く、膝のあたりの腫れと痛みがありそうでした。
膝のレントゲン検査を行いました。
膝を曲げて横から撮影したレントゲンです。右上が太ももの骨(大腿骨)で、中央から下にかけてが脛・ふくらはぎの骨(脛骨・腓骨)です。
まだ成長期で、骨端板という骨の成長を担う部分がはっきりしているため分かりにくいですが、
脛骨の上部の脛骨粗面という部分が浮き上がってしまっています。
飛び降りた時に膝を強くぶつけ、はがれてしまったのでしょう。
よく見ると、近位(中心に近い方)はズレていないのに対し、遠位が大きくズレています。
脛骨粗面は膝の前面にある膝蓋靱帯が付着する部分で上向きに大きな力が加わります。
完全にはがれてはいないようですが、その力でずれてきてしまっているようでした。
治療は、まだ小さい仔猫なのもあり、一時、外固定(ギプスのようなもの)で固定して安定化しないか試してみましたが、
足の短いマンチカンという猫種もあってか上手くいかず、整復手術を行うことになりました。
金属のピンをはがれた部分に打ち込み、固定する手術です。
足の小ささもあり、心配でしたが上手くいきました。
今後は、上手く骨が治ってくれるかと、骨の成長を担う骨端板を痛めている可能性が高いので、
骨の成長に異常が出ないかをしっかり経過を追っていきたいと思います。
福岡動物メディカルパーク リブ動物病院