「ごはんの食べが悪くなって、今朝はたくさん吐いた」とのことで来院したのは、1歳のネコのサチちゃんでした。
状況把握の為に、血液検査と腹部エコー検査を実施したところ、急に腎臓機能が悪化したようでした。
特にエコー検査において左側腎盂の拡張が認められ、尿管閉塞の疑いが強く命にかかわる状況と判断しました。
状態回復の為に、数日間入院点滴を実施したところ、血液検査の数値や状態も安定化し腎盂の拡張も改善した為、
相談の結果、経過観察をすることになりました。
ところが、1ヶ月後に再発し腎盂内に結石を疑わせる所見が認められたため、外科的治療を実施することにしました。
今回実施した手術は、SUBシステムという比較的新しい術式で、簡単に説明すると、流れが悪くなった尿管を使わず、
腎臓と膀胱の間にバイパスを作り、尿をそこに迂回させて流すというものです。
この手術は比較的新しい手術手技で、定期的なインプラントのケアが必要な事や長期的な予後はやや不透明な所もありますが、
適応範囲が広い事や平均的な手術後の経過が良い事がメリットとしてあります。
今回も手術後は順調に経過して、さちちゃんも元気に暮しています。
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院