「先生、のんちゃんが受付で急に立てなくなりました!」
と急いで運ばれてきたパピヨンの、のんちゃんのお話です。
別件で診察に来られて、「元気に走って」病院に駆け込んできた後のこと、ということでした。
運ばれてきたときには、やはりフラフラしていて、若干ぼーっとした感じでした。
いつも病院に来ると元気に吠えたり、怒ったり、動く子なのに明らかに様子がおかしいです。
確認してみると、心雑音があり、血液の循環が悪くなっているようでした。
検査を進めると、「僧帽弁閉鎖不全症」があり、病院に来て興奮しすぎたことが原因で、
心臓性の発作を起こしたようでした。
肺も少し水が溜まったようで、肺水腫も起こしていました。
急いで利尿剤と強心剤の投与を行い、その日のうちになんとか回復して、自宅に帰って行きました。
僧帽弁閉鎖不全症は犬の心臓病で一番多い病気です。
多くは中・高齢で発症し、徐々に進行します。
のんちゃんも以前に軽度の心雑音を指摘されていました。
雑音の程度は軽度でも、今回のように性格や状況によっては、
興奮やストレスが原因となって発作を起こすことがあります。
一般的には、疲れやすくなったり、咳が出たりという症状が発見の最初の症状であることが多いです。
治療としては、心臓の負担を取る投薬治療が一般的ですが、
近年、手術で完治を目指すこともできるようになっています。
のんちゃんも頑張って薬を飲んでくれているので、しっかりと経過の治療を行いたいと思います。
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院