先日、1ヶ月前から徐々に元気と食欲が落ちてきている、3日前からほとんど何も食べないと来院した、
甘えん坊のイタグレ、ビルバンテちゃんのお話です。
来院してみてみると、確かにいつもの元気が少しありません。
また、血色が少し悪いように見えました。
もともと腸が原因と思われる低タンパク血症があるため、
身体検査の後に軽くお腹のエコーを当ててみました。
すると、
腹水が確認されました。
低タンパク血症が悪化すると腹水が溜まってくることがあるので、
それかな?ということで、
念のため血液検査と腹水の検査、お腹のエコーを実施することにしました。
結果…
低タンパク血症は悪化していませんでした。
ん?
と思い腹部エコーと腹水検査に進むと…
脾臓にしこりがあり、腹水はその周りを中心に溜まっています。
腹水を採取してみると、血様でした。
これは脾臓の腫瘤が破れている可能性が高いと判断し、
早急に手術が必要であると飼い主さんにお話をして、手術を実施しました。
結果、やはり脾臓の腫瘤が破れて出血をしていました。
写真の左側が問題の腫瘤です。
おそらく、調子の落ちてきた1ヶ月内で何度か破れていたようで、何カ所か大網の癒着がありました。
術後は順調に回復し、お家に帰って行きました。
あとは脾臓の腫瘤の検査結果を待つばかりです。
腹腔内出血は急にぐったりするなどの急性の症状が出ることが多いです。
今回は一般的なパターンとは異なり、じわっと時間をかけて調子が落ちていたので、
わかった時には少し驚きましたが、早めに対処することができて良かったです。
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院