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リヴ動物病院のキャンペーンや日々の治療のこと、またはちょっとしたコラムなど。
様々な視点で日々を綴っていきます。

手羽元美味しかったよ・・・と満足そうなベルちゃん

今回来院したのは、お母さんが食べていた手羽元を

盗み食いしてしまったベルちゃんです。

一本まるまる食べてしまいましたとのことでした。

 

骨なのでそのまま丸呑みしていれば、

胃の中に残って吐いてしまう原因になってしまいます。(=胃内異物)

万が一腸まで流れてしまうと、お腹が痛くなったり、吐いたりして、

最悪腸に穴が空いてしまい緊急事態になります。(=腸内異物、腸穿孔)

 

胃の中であればお薬で吐かせたり、

胃カメラでとったりできます。(催吐処置、内視鏡)

しかし腸まで流れてしまうと、

お腹と腸を切ってしまわないといけません。(腸内異物、腸切開、腸切除術)

うんちになるのを待つ方法もありますが、

先ほど書いたように流れなければより危険性が増すので注意です。

 

基本的に食後1~2時間以内であれば胃の中にほとんど残っていますが、

それ以上時間が経っていると腸に流れる可能性が増えます。

チョコレートやお薬などの中毒物質は胃内で吸収されるのも早いため、

より迅速な処置が必要です。

吸収されてからでは対処が難しく、症状が出る可能性が高くなります。

 

まずは今どこにあるかを確認したかったので、

超音波検査(エコー)をさせていただきました。

食べてすぐならレントゲン(X線検査)で見える可能性が上がります。

実際は食べてないことも多いためそれも確認させていただきました。

 

下がエコー写真です。

左側が肝臓で、右の赤丸で囲っているのが胃です。

胃の中にピンクの丸で囲った部分がありますが、

その部分が手羽元(骨)だと考えられました。

 

胃内に残っていると考え、催吐処置をさせていただきました。

催吐処置は血管の中に管を入れて、気持ち悪くなる薬を注射します。

そうすると数分で吐いてくれることが多いです。

(※100%ではないため注意が必要です。)

 

昔は濃い食塩水やオキシドール(過酸化水素)を無理やり飲ませて、

吐かせていましたが、誤嚥の可能性が高いため今はほぼしません。

もちろん注射のお薬も副作用はゼロではないですが、

他の方法に比べるとリスクはかなり低いです。

 

ベルちゃんも注射をして上手に吐いてくれました。

鶏の骨を噛み砕いたものと、鳥皮と白米が出て来ました。

小さく噛み砕かれてはいますが、腸で詰まってしまうリスクや、

下痢や嘔吐、油も多いため膵炎などになるリスクもあるため、

うまく出てくれてほっとしました。

 

確認のために催吐処置後の胃の中をエコーで見ましたが、

先ほど見えた骨のようなものはありませんでした。

 

今回の誤食・異物はよくある話で、ぐるめなわんちゃんや猫ちゃんは、

飼い主様の食べているものに興味津々です。

特に日頃から人が食べているものをちょこちょこ与えているご家庭では要注意です!!

 

たったの一口で手術になったり、命の危険性があるため、

届く範囲に置かないよう日頃から注意しましょう。

わんちゃん、ねこちゃんが食べてはいけないものは特に注意しましょう!!

担当:獣医師

中尾 大樹

9年ぶりに地元福岡に帰ってきました。
美味しいご飯や、地元の懐かしさ、愛犬と愛猫に癒され過ごしています。
今の楽しみは、ゴルフとホークス観戦です。
最近お腹が出てきたので、ジムに行って頑張っています。
わんちゃん、ねこちゃんに痩せてくださいと言ったら、先生もね!って突っ込んでください。笑

気になることや、雑談でも構いませんのでお気軽に話しかけてください。
ブログでも皆様のお役に立てるよう情報を提供していきます。
優しい、話しやすい、丁寧、親身に寄り添える獣医師目指しています。
少しでも動物たちのために尽くせるよう、飼い主様と共に歩んでいきたいので、
どうぞよろしくお願いします。

福岡動物メディカルパークリヴ動物病院

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