みなさんこんばんは。
獣医師の中尾です。
ゴルフを始めたことで、3年ぶりに日焼けして、
健康的な肌になったなと感じる今日この頃です。
今回のテーマ、異物(誤食)は若い子に多い病気です。
特に誤食癖のあるわんちゃん、ねこちゃんは繰り返すことが多いです。
胃内異物であれば、吐かせる処置(催吐処置)や内視鏡、手術があり、
胃を超えて腸までいってしまうと、
内視鏡が届かないことがほとんどで、手術がメインになります。
今回服についているボタンの金具を食べてしまったとのことで来院されたSOYちゃん。
確認のためX線撮影すると、真ん中に周りより白く光るリング状のものが見えます。
X線では金属や骨が白く、水や空気が黒く見えるため、
胃内にボタンがあることがわかりました。
胃内に存在し、吐いても詰まったりする危険性が低いため、
催吐処置を実施しました。
当院では腕の血管(橈側皮静脈、人にもあるんですね!笑)に、
留置針と呼ばれる針を使ってプラスチックの管を血管内に入れます。
そこから催吐作用の効果がある薬を血管内に入れて吐くのを待ちます。
基本的には注射後5〜10分で吐きますが、1割未満の子で吐かない子がいるため、
その時は内視鏡を提案します。
催吐作用は帰る頃にはほとんど消えているため、大きな心配はありません。
帰宅後ご飯も普通に食べられます。
ただし、ごく稀に発作が起こることがあるため、てんかん(発作持ち)の子には使えません。
SOYちゃんもしっかり吐くことができて、下の写真のように
ボタンとプラスチックや繊維の破片がでてきました。
今回のように「食べた!」と思ったものだけではなく、
他のものもよく出てくるため、飼い主様が思っているより多く、
食べてはいけないものを食べていることが多いため注意しましょう。
また金属と違って、X線では発見が難しいのでお家での観察が大切です。
異物だけではなく、お薬や家族の方の食事やおやつなど、
わんちゃんやねこちゃんに有害なものを食べてしまうことも多いため、
注意していきましょう。
何か食べたのが間違いない時はできるだけすぐに病院にきてください。
時間が経てば経つほど腸へと進んでいき、手術が必要になってきます。
また腸に詰まって腸が腐ってしまったり(腸閉塞、腸壊死)、
腐った腸からうんちが漏れてしまって命に関わる可能性もあるため、
不安に感じたら気軽にお電話ください。
最大の予防は届くところに置かない!これが全てです。
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院