こんにちは。
獣医師の中尾です。
先日嬉野温泉と武雄温泉に行ってきました。
温泉はとてもリフレッシュすることができて幸せでした。
動物も同じように温浴することはリハビリにも使えます。
学生の頃は週2、3回は温泉に行っていたので、少しでも行くようにしたいです。
この時期は乾燥もしやすいので保湿もしっかりしましょう。(人も動物も)
今回は食事アレルギーの柴犬ゴン太君です。
ゴン太君は食事アレルギーがあるため、
療法食(治療用のペットフードで獣医師の処方が必要です)を食べています。
お耳と股のところが痒くなってしまって困っていました。
下の写真はよく舐める右股の写真です。
あまり舐めない左股に比べると、真っ黒なのがわかります。
これは色素沈着と言って、長期間舐めたりかいたりする刺激が続くことで、
皮膚に色素が増えてしまう症状です。
アレルギーのワンチャンでよく認められます。
もちろん模様のこともありますが、
飼い主様が以前はこんなに黒くなかったとおっしゃっていたため、
慢性刺激(炎症)によるものと判断しました。
基本的に食事アレルギーの根本的治療はアレルゲンとなるタンパク質を食べないことです。
えびアレルギーの人がえびを食べないということと同じです。
もちろんアレルギー反応は少量でも起こるため、
ちょっとしか食べてないから・・・は関係ないことが多いです。
そばアレルギーの人は同じ鍋で茹でたうどんを食べても症状が出るのと同じことです。
そのため療法食の基本は、
- タンパク質を含まないご飯(加水分解フード、アミノ酸フード)
- 食べたことのないタンパク質を含んだご飯(新奇蛋白)
のどちらかがほとんどです。
もちろんこれには消化の良いものが多いです。
そして検査と組み合わせることで、ご飯の選択がスムーズになったり、
症状が落ち着くまでの時間が短くなることが多いです。(検査の話はまた次回)
ゴン太君がどんなフードを食べていたかというと、
サーモンがタンパク源の療法食を食べていました。
これは2のパターンのご飯です。
しかし、痒みはおさまらなかったので、
サーモンは合っていないと考え、小麦のご飯に変更しました。
ご飯だけでなく、お薬やお耳のお掃除、スキンケアも組み合わせて治療を行ったところ、
1〜2ヶ月後にはピンク色が戻ってきました。
左が治療後、右が治療前です。
こんなふうにご飯を変えることや、スキンケアを組み入れることで、
症状や皮膚に変化を起こすことができます。
諦めずにやれることをしていきましょう。
痒いって不快さはかなりあると思うので・・・(蚊に刺されたらいやですよね?)
当院は皮膚専門の獣医師を月1回招いて、
皮膚専門診察を実施しています。
皮膚のエキスパートの診察を受けることは、
九州では限りなく難しいと思います。
ご興味がある方はぜひスタッフに一声おかけください。
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院