こんにちは。
獣医師の中尾です。
健康診断が終わってから、ジムをサボっているため、早く復帰しないとと焦っています。
まずは3キロ落としたので、今年は体脂肪を落として筋肉をつけたいと思います。
今回は耳がかゆいと言って来院されたアルちゃんです。
見てみるとも耳垢がたくさん付いており、
耳道も赤くなっていました。
外耳炎と診断されますが、原因を治さないと再発するため、耳垢を調べることにしました。
原因には
- アレルギー性疾患(食事アレルギー、アトピー)
- 耳ヒゼンダニ症
- 腫瘍
- 異物や刺激(植物、シャンプー、毛抜きなど)
があります。
耳垢を見てみると
ど真ん中に明らかに虫みたいなものいます。(節足動物です)
これが耳ダニ(ミミヒゼンダニ)です。
少し拡大して見てますが、こんな感じで耳垢(写真のほぼ全てを占めている茶色部分です)の中にいます。
もちろん耳ダニだけではなく・・・
上2つの写真は耳垢を、簡易染色(diff quick)と呼ばれる方法で染色したものです。
それを顕微鏡で見ています。
紫色で雪だるま(ボーリングのピン)のような形をした物が沢山確認できますが、
これがマラセチアというカビ(酵母様真菌)です。
マラセチアは常在菌で皮膚・耳に存在します。
単独で増殖することはほとんどなく、何かしらの素因があって増殖することが多いです。
素因としては
- アレルギー性疾患(食事アレルギー・アトピー)
- 耳ダニ
- 刺激・異物
などがありますが、今回は耳ダニがいたためその治療から開始しています
基本的には駆虫のお薬を(当院ではスポットタイプを使用)、
2〜3回くらいの処方で治療終了になることが多いです。
しかし、中にはもっと時間がかかる場合もあるため継続した耳垢の検査が必要になります。
また実はアレルギーもあるが耳ダニもいたパターンもあるため、
治療後にも耳垢が多かったり、痒みを生じたりする場合はアレルギーを疑います。
シャンプーしてから〜とか草むらに顔を突っ込んでから〜などの情報があれば、
シャンプー剤による刺激や種子などが異物として存在を考えます。
今回はその後3回目の処方が終わった頃には耳ダニも確認できず、
耳の中も綺麗なため耳ダニ症による二次的なマラセチアの増殖と判断しました。
補足です。
本格的に寒くなり、人も動物も体調を崩しやすいので気を付けましょう。
ねこちゃんは水の飲む量が減り、膀胱炎や尿道閉塞が多いシーズンなため、
おしっこ出ているか、変な色じゃないか、トイレに何回もいってないかチェックしましょう。
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院