麻酔下で外耳の処置を行った、元気いっぱい虎太郎ちゃんについてです。
以前より慢性外耳炎を患っており、定期的に耳掃除が必要でしたが、
ある時を境に、右側の外耳炎だけ、なかなか治らなくなってきました。
そのある時とは、右の耳道の奥に黒い塊が見つかって、普通の洗浄でそれがなかなか取れないね、
となったあたりでした。
普通に耳の洗浄をしてもダメなので、
無麻酔で耳鏡下のカテーテル洗浄を行ってみたり、
特殊な洗浄液で汚れが溶けないかやってみたりしましたが、
全く塊は取れませんでした。
塊の奥にしこりがあったりする可能性もあるので、
その精査も含めて麻酔科での外耳処置を実施することになりました。
画面の下側に黒い耳垢の塊が見えます。
鼓膜は辛うじて見えている状態です。
オトスコープで見ながら、カテーテルを塊のところまですすめ、
直接ピンポイントで行う洗浄をしばらくすると、ついに塊が動き、流れ出てきました。
これでかなり耳の中は綺麗になりました。
恐れていたしこりもなく、おそらく画面右に見えている毛に汚れが絡み付いてたようでした。
麻酔をかけるなら一緒に歯科処置も済ませたい、というご希望でしたので、
耳がしっかり綺麗になってから歯科処置に移りました。
耳ばかり見ていましたが、歯石と歯周病がありました。
歯石を取ってみると、上顎の臼歯が破折していました。
露髄(いわゆる「神経」が露出)しており、この歯だけ特に歯周病が進行していたため、抜歯も行いました。
綺麗になりました!
歯も耳もすっきりして帰った虎太郎ちゃんですが、外耳炎も落ち着き今のところ良い状態です!
同じ状態にならないように、引き続きケアを続けていきたいと思います。
なかなか耳の奥の汚れが落ちずに外耳炎が治らない場合には、
麻酔をかけての処置が有効なことがあるよ、というお話でした。
福岡動メディカルパーク リヴ動物病院