先日、去勢手術で来院した、とっても懐っこいテトちゃんです。
よく見ると目頭のところの毛が茶色く湿っています。「涙やけ」とよく言われる状態です。
涙やけに悩んでいる飼い主さんは多いので、
術後の麻酔から覚めるまでに、せっかくだから眼の周りをきれいにしようね、
蒸しタオルとクシを用意しました。
いざ眼を見てみると、
下まぶたの目頭側のあたりの毛が、まぶたの内側に巻き込まれていました。
涙やけ、というか涙が溢れてきている原因は、「眼瞼内反症」だったのでした。
眼瞼内反症は、まぶたが名前の通り内巻いている状態で、先天性のことが多いです。
まぶた全体で起こることもあれば、今回のように一部だけということもあります。
症状は、涙が溢れるだけのこともあれば、結膜や角膜に影響が出ることもあります。
根本的な治療は、まぶたを外に向かせる手術になりますが、
軽度の場合は、刺激している毛を抜いたり、目薬をさして治療することもあります、
今回は偶然(というわけでもないですが)初めて見つかった軽度のものだったので、
入り込んでいる毛を寝ている間に抜く処置を行い、今後の経過をみることにしました。
去勢手術の抜糸の際には、涙がかなり改善していました。
今後の経過次第で、治療方針を考えていこうと思います。
涙やけは原因がはっきりしないことも多く、非常に厄介ですが、
今回のようによく見てみるだけで原因がわかることもあります。
涙やけで悩まれている方は、ぜひ一度診察を受けてみられてください。
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院