こんにちは。
筋トレと野球に夢中の獣医師中尾です。
(もちろん獣医師としての仕事にも夢中ですよ。笑)
朝や夜は肌寒くなってきたので、
飼い主様も含めて体調を崩さないようにしましょう。
気温の変化で下痢などすることもあるので注意です。
久しぶりに近くの温泉に行ってサウナに入ったら、
気持ちもスッキリなりました。
県外の温泉も行きたくなる季節になりましたが、
もう少しコロナの様子を見てからにしようかなと思います。
今回はラブのきなこちゃんです。
右後肢の趾間(指と指の間です)に出来た腫瘍を手術で切除しました。
こんな感じの出来物が、1ヶ月ほど前からあって、
落ち着いたり少し腫れたりするとのことでした。
気にしてすごく舐めるため真っ赤かになっていました。
細胞診(針で刺して採れたものを調べる検査)では、
肥満細胞腫というがんであることがわかりました。
がんではありますが、手術で切除できれば、
完治の可能性もあるため、手術をすることになりました。
膨らんでいる付近にも腫瘍細胞が存在していることがあるため、
理想は少し余裕を持って切除することが多いです。
しかし、そのためには指を巻き込んで切除か、
足首や足ごと切除するしか方法はありませんでした。
飼い主様はそのため可能な限りギリギリで切除しました。
これが2週間後の写真です。
ぱっと見はどこを手術したかわからないくらい綺麗になっています。
病理学的検査(できものが何なのかを専門の施設でしてもらう検査)の結果、
なんとか腫瘍細胞を切除出来ているとのことでした。
再発することもあるため、
c-KITという肥満細胞腫に関わる遺伝子を検査したら、
変異がみつかりました。(変異があると転移・再発しやすい)
そのため分子標的薬(抗がん剤の一種)による補助治療を開始しました。
今のところ順調なため、このまま再発がないことを祈っています。
この腫瘍の特徴は大きさが変わったり、
触ると赤くなったり、痒かったりします。
柔らかいこともあるため気になったら病院にきてください。
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院