去勢手術の相談で来院した、怖がり猫のハイパーちゃんですが、
もう一点飼い主さんが気になるところがあるということでした。
それは、これです。
術前の写真なので毛が刈られていますが、
左の陰嚢にイボのような大きなできものがあります。
手術前に細胞をとって調べようとも考えましたが、
キャリーに入るのが嫌すぎて逃げ回って、爪を怪我してやってくるような、怖がりなハイパーちゃんですので、
去勢の麻酔下で一緒に切り取って調べてみることになりました。
そしてなんと、もう一つ問題が見つかりました。
これは術前のお腹の写真ですが、お腹の真ん中に膨らみがあります。
これは、子猫のうちに塞がっておくべき臍の穴が塞がっていない、臍ヘルニアという状態です。
ハイパーちゃんは実は若くないので、時間をかけてヘルニアの内容が増えてきたのではないかと考えられます。
将来的に嵌頓(ヘルニア内容が戻らなくなり嵌まり込んで、ヘルニア孔で締め付けられる状態。壊死などを起こすことがある。)
を起こすリスクがある為、こちらも一緒に整復手術を行うことになりました。
写真は臍ヘルニアの整復中の写真です。
ヘルニア内容を押し戻し、穴を確認しています。
この5mm超くらいの小さな穴から、お腹の中の脂肪が脱出してきていました。
ヘルニア孔をしっかりと閉鎖して、腹壁も後々変に弛まないように縫い合わせました。
病院でとても緊張してしまうハイパーちゃんは、日帰りで帰っていきました。
幸いオデキの方も悪いものではなさそうでした。
負担にならない範囲で一度に済ませてあげられたので、良かったです。
普段の手術は顔写真を撮るのですが、緊張がすごかったので、今回はお顔の撮影はやめておきました。
未去勢の中年齢の男の子らしい、頬の大きくなった丸顔で、とても可愛かったのですが、お見せできなくて残念です。
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院