皆さんこんにちは。
獣医師の中尾です。
最近肌寒くなってきて、窓を開けるのをやめました。
季節の変わり目なので、飼い主様もわんちゃん、ねこちゃんも、
体調崩さないように気をつけてください。
ドッグトレーニングから2週間ぶりにお家に帰ってくると、
肛門の周りが腫れているとのことで来院したペコちゃん。
お尻を気にしてなめているとのことでした。
見て見ると・・・
赤丸のところが肛門で、ピンク丸が腫れている部分です。
膿が出てきているのがわかります。
これではまだ見づらいので毛刈りをしました。
ピンク丸のところに穴(瘻孔)ができています。
また左下付近が青紫色に見えるため、内出血もあるかもです。
写真ではわかりませんが、触ってみるとコリっとした硬さ(硬結感)がありました。
場所と症状、そして穴から膿が出ているため右側肛門線破裂と診断しました。
肛門線についてはこちらのブログに載せているため見てください。
これが実際に絞った肛門線です。
右が右の肛門線、左が左の肛門線です。
粘土状で、流動性が少ない肛門線がでました。
白色の部分が混ざっているため、炎症が起こっていると考えられました。
実際に顕微鏡で見て見ると・・・(簡易染色、Diff-Quick)
たくさんの炎症細胞がとれてきました。
以上より、
肛門線貯留→肛門嚢炎(感染などが原因)→肛門線破裂→お尻の皮膚に穴形成
と考えられました。
洗浄実施し、抗菌薬と痛み止めを処方し、
治療終了としました。
10日後です。
穴(瘻)があったピンク丸で囲んでいるところは塞がってきました。
バリカンまけで気にしたのか、なめてしまったあとが
青矢印のところに見られます。
ただもうかさぶた(痂皮)ができているため、特に追加の治療はありません。
トリミングで絞ってもらっていない子は注意してくださいね!
お尻をこする、気にする子はすぐ相談してください。
福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院