大事なお知らせ

ブログ・お知らせ診療日誌

リヴ動物病院のキャンペーンや日々の治療のこと、またはちょっとしたコラムなど。
様々な視点で日々を綴っていきます。

意外と知らなかった皮膚の話① 〜シャンプー〜

こんにちは。

獣医師の中尾です。

1週間前に完成したのですが、

投稿前に動作不良でデータがなくなりました。泣

そのショックからようやく立ち直ったため再度綴ってみました。

(PCなのでタイピングするけで筆は持っていませんが・・・)

 

プロ野球が開幕し、今年こそは球場に足を運びたいなと思います。

草野球チームを作ろうとチームメイト募集と練習に励んでいますが、

生傷が増えるばかりです。笑

ちなみに右肘に毎週つく傷はノックの代償です。(動物無関係です)

顔と両腕も徐々に黒くなってきました。

草野球ご興味ある方は是非中尾まで。笑


 

関係ない話はおいといて本題です。

今回はシャンプーの話をさせていただこうかなと思います。

ねこちゃんはなかなか大変ですが、

わんちゃんは多くの飼い主さんが経験したことあると思います。

 

そもそも健康な子であれば1月に1回のシャンプーでも構いません。

カットの時に一緒にしてもらえばバッチリです。

匂いが気になる方は、2〜3週間に1回で十分と思います。

適切な洗い方、乾かし方、保湿をすれば、毎日洗っても構いません(極論ですが)。

リヴの皮膚科では、皮膚病の子は最初4日に1回のシャンプーから開始です。

 

まずシャンプー自体の話です。

高級アルコールシャンプー、アミノ酸シャンプー、石鹸シャンプーなど種類がありますが、

ここら辺は省いて簡単に説明します。

  • シャンプーは基本的に動物用を使用
  • 匂いが強すぎるものは注意

この2点くらいでいいでしょう。(※あくまで中尾個人の見解です。)

わんちゃん、ねこちゃんの皮膚は弱アルカリ性です。

人は弱酸性なので人用シャンプーを使うと、

シャンプーの洗浄力が落ちるだけでなく、皮膚トラブルの原因になります。

(ただし獣医師・看護師・トリマーが目的があって使用する場合は別)

匂いが強いものは嗅覚が優れているわんちゃんねこちゃんにはストレスにしかなりません。

気持ちはわかりますが注意しましょう。

(柔軟剤や香水の匂いがずっと漂ってくると思うとうんざりしませんか?)

 

思ったよりないなと感じた方、

一番大切なのは洗い方です。

これが全てと言っても過言ではありません。

それほど、意外と知らずに洗っている方がいらっしゃいます。

皮膚トラブルがない子はそこまで問題にならないかもですが、

皮膚トラブルがある子だと効果ないばかりか悪化することもあります。

 

  • 温度は37°以下で
  • シャンプーは泡を立ててから(薬用はつけ置き)
  • 保湿をする
  • ドライヤーは火傷しないように(可能なら冷風で)

特にシャンプーは泡を立てて使うことが重要です。

綺麗にしようと思うとこすってしまいそうですが、

動物の皮膚は人の赤ちゃんの半分の厚さしかありません。

また、荒れていることがほとんどです。

そのため、こすることで皮膚によりダメージを与えることがあります。

良かれと思ってシャンプーしたけど、あまり効果ない。

むしろカサカサになることもあります。

洗顔をするつもりで、立てた泡を優しくつけましょう。

そして熱さは痒みを誘発します。

(熱いお風呂に入るとつい皮膚をかいてしまいませんか?)

 

まずは正しい洗い方から実践していきましょう。

分からないことがあればスタッフまで。

当院ではスキンケアグッズを取り揃えていますので、

気になる方は是非お声がけを。

実際に試したい方は、当院でのメディカルシャンプーをご予約ください。

お家ではやれないこと(入浴や薬用シャンプーなど)を病院にて実施します。
あなたの家族を生まれ変わらせましょう。

 

福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院

トリミング後、皮膚がかゆくなった豆すけちゃん

診療日誌 2020.06.27 UP DATE.

先日、「トリミング後からかゆがっている」とのことで来院した豆すけちゃんです。

診てみると、顔~お腹~足まで皮膚が赤くなっていました。

いつも当院でトリミングを受けてくださっていたのですが、

こんな風に赤くなったのは初めてです。

 

トリマーさんにいつもと変わったことを聞いてみると、

「抜け毛がひどかったため、初めてスリッカーブラシを使った」とのこと。

豆すけちゃんは以前、金属アレルギーのような症状が出たことがありました。

おそらく今回はブラシの金属部分に反応してしまったのではないかと考えています。

 

数日間のお薬投与ですっきり良くなりました!

今後も金属以外の素材のブラシでケアしていきます。

 

福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院

脱走後、足を骨折したさなちゃん

診療日誌 2020.07.31 UP DATE.

先日、「脱走後から片足をあげている」とのことで来院したさなちゃんです。

診てみると、右後ろ足が腫れていました。

触ってみると、どうやらかかとの辺りが痛いみたいです。

レントゲンを撮ることになりました。

 

かかとの少し上の部分の骨がぽっきり折れています。

脱走中に何があったのでしょうか。

 

どんなにお利口なわんちゃんでも、人間のちょっとした不注意で脱走したり事故に遭ったりしてしまいます。

リードや首輪の管理、窓や扉の開け閉めには十分注意しましょう!

 

飼い主様の希望により、手術は実施せずに様子を見ていますが、治るかどうかドキドキです。

 

福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院

 

ブラッシングがどうしても嫌なキムちゃん

先日、長毛猫さんの鎮静下での全身毛刈りを行いました!

 

立ち耳スコティッシュフォールドのキムちゃんは(立ち耳が良いですね)、

最近事情があって今の飼い主さんのところへやってきたのですが、

どうしてもブラッシングされるのが嫌な様で、自宅ではすぐに逃げてしまってお手入れをさせてくれない、

とご相談を受けていました。

被毛のケアがなんとか自宅でできないか試行錯誤をして頂きましたが、なかなか上手くいかず、

肌も汚れてくるし、高頻度で毛玉もできるので、ここ最近は2週間に1回程度毛玉を刈りにきていました。

しかし、毎回の毛玉刈りもなかなか怖がっていましたし、暑くなってきたので、

飼い主さんとご相談の上で鎮静下での全身毛刈りを実施しました。

 

獣医師とトリマーでチームを組み、鎮静管理と毛刈りを手分けして行いました。

トリマーさんに聞いて初めて知ったのですが、猫の毛は柔らかすぎてきれいに刈りそろえるのが難しいのだそうです!

獣医師も毛刈りをすることがありますが、そこまで見ていなかったです。。

写真がうまく撮れませんでしたが、手足先と顔まわり、尻尾の先以外をきれいに刈り、残った部分も整えてもらいました。

尻尾の先がススキの様に整えられていて、毛色と相まってとても良い感じでした。

鎮静から覚めた後もそんなにひどく怖がっている様子もなく、

なんなら以前に毛玉刈りを行った時の方が怖がっていた様に感じたので、やはり鎮静をかけて良かったです。

 

猫はブラッシングが好きという方が多数派ですが、どうしても嫌いな子が一定数いる様に感じます。

換毛と暑さの重なるこの時期、猫のストレスも考えて、こういった手段もどうしてもの場合はありではないかと思います。

 

ただし鎮静処置にはリスクも伴います。キムちゃんも処置前にチェックを実施しています。

もし全身毛刈りをご希望の際には一度ご相談を頂くようお願いします。

 

福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院

ほっぺに膿がたまったマイケルちゃん

こんばんは、獣医師の中尾です。

 

コロナウイルスで外出自粛のため、

あまり興味がなかった洗車をするようになりました。

久留米から通っているため、虫がバンパーやナンバープレートに張り付いています。

また黄砂でガラスが汚れています。

洗車をするようになって、今まで意識してませんでしたが、

思っていたより汚れてるなぁと感じました。

 

ちなみに大学時代は桜島の火山灰で、灰まみれになっていたため、

車の汚れに対する感覚が皆さんとずれているかもしれません。笑

思ったよりも運動になるので、お勧めです。

 

今回はほっぺが腫れているとのことで来院されたマイケルちゃんです。

少し見えづらいかもですが、左のほっぺがぷくっと腫れています。

触った感じはやや柔らかく、ブニブニした感触でした。

明らかに腫れる場所ではないため、針を刺して検査することにしました。

抜けたものはこの大量の膿でした。

膿を顕微鏡で見てみると、たくさんの白血球と3種類の細菌が確認できました。

 

今回は外科的処置(切開して洗浄など)を希望されなかったため、

可能な限り吸引し、抗菌薬を処方しました。

 

お薬に反応して膿は少なくなりましたが、1週間後に細菌がまだ残っていたため、

細菌培養検査(どんなばい菌がいて、どの薬が効く・効かないを調べる検査)を実施しました。

この検査が細菌感染時の治療にすごく重要です。

なぜなら、特に人の医療でも問題になっている、

耐性菌(抗菌薬が効かない細菌のこと)のリスクを減らしていけることと、

意味のない治療をせずに済む可能性が増えると考えられるからです。

 

効かない薬を飲ませるのは、飼い主様的にもわんちゃん・ねこちゃん的にも、

負担になっていきます。(飲めない子に飲ませるのって大変ですよね・・・泣)

また、将来病気になって細菌感染が起こった場合に、

耐性菌のせいで使える薬が少なかったり、注射しかなかったりすると、

その時の治療の大変さや費用の負担は辛いものになります。

 

その事態を避けるために、検査できる場合はしっかり検査していきましょう。

獣医師だけではなく人のお医者さんが薬を処方する場合は、必ず意味があります。

そのため、出された薬はしっかり飲み切るようにしましょう。

飲みきりじゃなくて大丈夫な場合は、先生から指示が出るためその指示に従ってください。

 

ちなみに3〜4週間後のマイケルちゃんです。

ほぼ腫れは引いており、膿も吸引できなくなりました。

元の小顔に戻りました。

 

今回は綺麗に治ってくれましたが、

細菌感染は油断したり、適切な抗菌薬を用いなければ、

全身へと感染が広がり命を脅かすこともあるため注意です。

特に外に出る猫ちゃんは注意して下さい(けがしやすいため)

 

福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院

包皮炎になったニッキーちゃん

こんにちは。

獣医師の中尾です。

まだまだコロナによる不自由さは解消されていませんが、

もうひと踏ん張り頑張って、勝ちましょう。

苦しんでる方も沢山いらっしゃると思いますが、

最後まで諦めずにいきましょう。

 

僕の高校生時代のバイブル「スラムダンク」

あきらめたらそこで試合終了ですよ・・・?という、

バスケ好き&マンガ好きなら絶対知っている、

かの有名なセリフがあります。

 

獣医療においてもこの気持ちを持って望んでいます。

僕は負けず嫌いなので、特にこの言葉に何度も刺激を受けています。

そのため、最後にブザーが鳴り響くまで一生懸命ボールをおいかける気持ちで頑張ります。

 

さて今回は包皮炎です。

包皮炎はおちんちん本体の周りを包んでいる皮膚です。

もちろんオスの子にしかありません。

写真のように、おしっこが出るとこからドロッとした黄緑色(黄白色)の物がでます。

これは、包皮内に存在する常在菌(正常な時にも存在する菌)の感染で起こります。

また赤くなったり、ひどい時にはおちんちんにも炎症が広がって、

おしっこするだけで痛がることがあります。

(包皮粘膜や亀頭表面の充血・熱感・疼痛を伴います)

 

ニッキーちゃんです。

下の写真のようにおちんちんの先からどろ〜っとした物が確認できますね。

包皮炎とは関係ないですが、周りの皮膚にも湿疹(丘疹)が見えます。

 

原因はおちんちんと包皮の間に残った尿から炎症・感染が起きることが多いため、

普段からきれいにしておけばあまり問題になることはありません。

ひどい時には、包皮内の消毒・洗浄をしたり、抗菌薬を使ったりします。

 

今回症状はなく、亀頭もきれいであったため洗浄・消毒のみで治療終了としています。

 

結構男の子でなる子は多いので是非見てみてください。

 

福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院

 

急に吐いて元気がなくなったたまちゃん

うちのネコが、前日の夜から何度も吐いていて、元気・食欲がない、

急いで受診した方が良いですか?

と電話がきました。

電話で状況を聞いた当院の看護師が、

そうですね、様子を見ずに早目の受診が良いと思います、

とお返事をして、

すぐに来院してもらったのは、人工哺乳の頃からみているおっとり猫のたまちゃんでした。

 

お話を聞くと、おもちゃの紐をはじめの方に吐いた、以前から布系のものを嚙る癖があるとのこと。

早い方が良いと思いますとはこれのことだな、とお腹のエコーを見てみると、

案の定おもちゃの紐が消化管に引っかかっていました。

 

紐が消化管に引っかかる紐状異物は、異物による腸閉塞の中でも特に質が悪い状態です。

引っかかった紐と正常な消化管の蠕動運動の結果として、腸管が手繰り寄せられて、綴れてしまいます。

綴れてしまった腸管はその圧迫により、血液の流れが悪くなり、障害を受けます。

比較的短時間で、その部分の腸管が全体的に壊死してしまうこともあります。

 

たまちゃんはその日のうちに開腹手術となりました。

これが綴れてしまった腸管です。

ややうっ血してしまっているせいか赤いですが、ダメージは深くないようでした。

 

まずは腸管内に引っかかっている端の部分を探します。

そして、腸管を切開して、その端の部分のみを切除しました。

引っかかっている端の部分が取れると、綴れていた腸管を戻すことが可能になるので、

真っ直ぐに整復し、ついでに腸管内の紐を胃内に押し戻しました。

押し戻した紐を内視鏡下で摘出しました。

内視鏡を使うことで、消化管の切開を最小限に留めることができました。

長い紐が出てきました。

腸管の方に結び目が引っかかり、胃のなかで残りの紐がだまを作ってしまったことによって、

腸管の綴れの発生につながったようでした。

 

術後はスムーズに回復し、元気に帰って行きました。

時間が経ってしまっていたら、状態はもっと悪くなっていたでしょう。

手術できたとしても、腸管の切除が必要になっていたでしょうし、回復に時間がかっていたはずです。

早めに来院してもらって良かったです。

 

どうしても不要不急の外出自粛要請が出ていますので、

動物病院に行くべきかどうか悩まれることがあると思います。

わんちゃんねこちゃんの調子が悪そうな時は、

様子をみる前に一度、動物病院に問い合わせてみてください。

 

福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院

足しゃぶとは・・・

こんにちは。

獣医師の中尾です。

最近親戚の小学生のお勉強を見ていますが、

自分が小学生の時より明らかに進んだ内容をしているため、

ゆとり世代なのを再認識させられました。

社会の歴史も少し変わっているのが新鮮でした。

 

普段獣医学の勉強しかしていないため、(さも毎日勉強しているかの様に書いていますが)

違う分野の勉強をするのは良い刺激になります。

特に好きなのはなぞなぞです。

もっと頭柔らかくなりたいなと思います。

 

今回は皮膚病で困っているわんちゃんの治療法の1つである足しゃぶしゃぶの紹介です。

現在皮膚病にかかっている(お耳のトラブルも含む)多くのわんちゃんが、

苦しんでいる原因の多くはアレルギーです。

大雑把に説明すると、アトピー食事アレルギーになります。

このお話しをしだすと、3回分くらいの長文になる気がするため、

今日は省きます。(笑)

 

ちなみに当院は九州では数少ない、

皮膚科認定医による皮膚科専門診療を月1回実施しています。

皮膚でお困りな方は是非お声がけください。(当院に通われていない患者様でも構いません)

 

アレルギーのわんちゃんは、手足先端が痒くなることが多く(7〜8割のわんちゃんで見られます)、

赤くなったり、腫れたりすることがあります。(肢間炎、下の写真です。)

この時多くの場合マラセチア(=酵母様真菌、カビの一種)が増えていることがあります。

 

マラセチアは今ある炎症をより悪化させ痒みサイクルをより加速させます。

そのため、炎症(アレルギー)の原因を改善すると共に感染を除去する必要があります。

もちろんお薬を飲んでもいいですが、

副作用が最小限で済んで、費用も少なめな、消毒がおすすめです。

当院では、クロルヘキシジンポピドンヨードを使用することが多いです。

 

消毒の方法は、乾綿やコットンに消毒薬を染み混ませて拭く方法と、

足先であればひたす方法があります。(これが”足しゃぶしゃぶ“です)

性格や体格にもよりますが、小型犬やおとなしいわんちゃんであれば、

下の写真のように消毒をすることが可能です。

当院の皮膚科診療のモットーは“薬を使わずアレルギーを治す”なため、

消毒やスキンケア、腸内細菌等、通常皮膚科治療のみではなく、

多方面から治療に取り組んでいます。

 

ご興味がある方はスタッフまでお声がけください。

 

福岡動物メディカルパーク

福岡動物アレルギーセンター

リヴ動物病院

SUBシステムを設置したママちゃん part2

そのため、時間を稼ぐ一時的な救命処置として、

体外から腎臓に直接カテーテルを挿入して尿を出す、腎瘻カテーテルの設置術を行いました。

リスクの高い状態でしたが、なんとか周術期を乗り越え、腎瘻設置後はどんどん状態が回復してくれました。

 

ただし、腎瘻には ①ズレやすい ②感染のリスクがある という管理上の問題があります。

何日脱落せずに入っていてくれるか分からないため、急いでもう1セットのSUBシステムをなんとか手配し、

左側の腎瘻が抜けてきたその日に、ギリギリ間に合いました!

 

これは術中の画像です。

レントゲン透視下で腎盂(腎臓の尿を集める部分)を確認しながら腎臓内にカテーテルを設置します。

 

術後のレントゲンです。

先だって行った腎瘻と違い、カテーテルに脱落防止の工夫がしてあり、抜けにくくなっています。

腎臓からでたカテーテルは、一旦皮下に出てチタン製の洗浄ポートに繋がり、

再度腹腔内に戻って膀胱に開口します。

SUBシステム設置術は他の術式と比較して、術式が簡易で手術時間が短縮できます。

また、洗浄ポートを介して定期的にカテーテル内の洗浄を行うことで、再閉塞のリスクを軽減することができます。

 

ママちゃんは術後にやや紆余曲折はありましたが、持ち前のタフさで回復して、

今は腎臓の数値が基準値内におさまるほどで、元気にしています。

 

ママちゃんは物凄く頑張ってくれました!

定期的にメンテナンスが必要ですので、今後もしっかりとケアしていきます。

 

福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院

SUBシステムを設置したママちゃん part1

尿管の通過障害から急性腎障害を起こした猫のママちゃんを

腎臓・膀胱をバイパスする「SUBシステム」という器具の設置により救命できました。

術前の写真なのでしかめっ面です。。

 

ママちゃんは以前に尿管結石の通過が原因と思われる急性腎障害を起こした既往がありました。

その際は内科治療で改善したので、定期的にチェックをしながら経過観察をしていました。

その途中の出来事です。

 

急に嘔吐があり、その後数日なんだか元気と食欲が落ちていると来院されました。

まさかと思いつつ検査をしてみると、

腎臓の数値が少し前のチェック時より上昇しており、

エコー検査で、左側の尿管の通過障害のありそうな像が認められました。

結石が詰まっているような画像所見はレントゲン・エコーでは無く、

尿の培養検査を実施し細菌感染の可能性も低いと判断しました。

以前に急性腎障害を起こし、内科治療で改善していたことから、

まず入院で内科治療を実施し、数日で元気になり帰って行きました。

 

なのですが、帰宅後すぐに、また吐いて食べない、と再来院しました。

調べてみると、なんと下がったはずの腎臓の数値がまた上昇し、

反対の右側の尿管の通過障害が起っていました。

再度入院し内科治療を行ないましたが、今度は改善が悪く、

本当に結石が詰まっていないか確認のためにCT検査に行ってもらいました。

CT検査では結石は確認されませんでした。

その為、尿管自体に問題があると考え、通過の悪い部分をパスして

腎臓から尿を膀胱へ通す手術を検討する手筈となりました。

 

しかし、一旦良くなったはずの左側の尿管が再度通過障害を起こしてきました。

尿の排泄を担っていた左側から尿が出なくなったので、状態が急激に悪化しました。

待てない状況になりました。冒頭に出てきたSUBシステムの適応です。

ですが、当院には、通常片側の発生のため、その分の1セットしか置いていません。

すぐに両側の腎臓には対応できませんでした。

そしてSUBシステムは海外から輸入する必要があり、通常は手元に届くのに時間がかかります。

 

→part2(https://live-ac.com/archives/9086)へ

 

供血犬デビューしたきなこちゃん

皆さんこんにちは。

獣医師の中尾です。

 

桜が咲く季節になりました。

いつも気づいた時には散っていることが多いので、

今年はしっかり目に焼き付けようと思います。

家の近くに桜並木があるため、愛犬のきびちゃんとお散歩しようかなと思います。

 

さて今回は3月から供血犬としてデビューしたゴールデンのきなこちゃんです。

病院にくるたび尻尾振りながら喜んでくれるため、嬉しい限りです。

(思ったより尻尾に当たると痛いです。笑)

獣医療において、輸血は毎日・毎週実施することはあまりありませんが、

輸血をしないと助からないシチュエーションは年に数回あります。

人と違って、血液バンクがないため、各病院毎に供血犬を飼育するか、

ボランティアで供血犬を募集するかしかありません。

(人工血液の研究が進めばもっと助かる命が増えるかもしれません)

 

リヴ動物病院では供血犬を飼育していないため、

現在ボランティアで供血犬募集をしています。

もしご興味がある方はスタッフにお声がけください。

(基本的には大型犬を対象にしています)

 

今回、きなこちゃんの血液で1頭の命が救われました。

きなこちゃん本当にありがとうございます。

 

福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院

目から血が出たマイロちゃん

診療日誌 2020.03.17 UP DATE.

先日、目から血が出ているとのことで来院したマイロちゃんです。

 

診てみると、左目にとても大きな傷ができていました。

このままでは傷が深くなって、目がダメになってしまいます。

急いで傷を結膜で覆い、一時的に瞼を縫い付ける手術を行いました。

おうちではエリザベスカラーをつけての生活となります。

 

↓約2週間後、抜糸を行ったときの様子です。

ぼこぼこだった傷が治ってきて、目の表面がつるっと滑らかになっています。

 

↓約1か月後

傷はきれいに治りました!

 

今回のマイロちゃんは、きれいに治って元通りの生活に戻りました。

しかし、治療が遅れてしまうと失明してしまう恐れがあります。

目をしょぼしょぼしている、目やにが増えたなど少しでも気になることがあれば、ぜひご相談ください!

 

福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院

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