大事なお知らせ

ブログ・お知らせ診療日誌

リヴ動物病院のキャンペーンや日々の治療のこと、またはちょっとしたコラムなど。
様々な視点で日々を綴っていきます。

結石が尿道につまってしまった健太君

診療日誌 2018.02.22 UP DATE.

以前より「リン酸マグネシウムとシュウ酸カルシウム」の二つの結石が出来てしまう体質をもつ健太くん。

とても厄介な体質で全ての内科的治療に反応せず、必ずどちらかの結石が出来てしまうのです。

そんな健太くんですが、とうとう尿道に結石が詰まってしまいました。


↑膀胱と骨盤腔内尿道に、それぞれ結石が見えます


↑膀胱内の結石のエコー所見

尿道内に詰まっている結石の摘出を実施する必要がある状態ですが、結石が膀胱内にあるうちは緊急状態になりえるので、通常は膀胱内の結石も同時に摘出します。

しかし、根本的に結石の予防が出来ないので、ここで膀胱内にある結石を摘出しても、再度同じように結石が出来てしまうという問題があります。

そこで、今回は尿道内の結石の摘出と同時に尿道の尿路変更術を行いました。


↑術後の状態


↑摘出された結石

これによって尿道の出口をお尻の方に移動させるとともに出口を大きく作りかえることで、膀胱内に出来た結石が自然と外に排出されるようになります。


↑術後の様子


↑おしっこがスッキリ出る様になった健太君です

 

それでも今後出来てくる結石が少なくなるように食事療法を続けながら、サポートしていきたいと思います。

 

福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院

自動販売機の下から見つかったチビ太ちゃん

診療日誌 2018.01.22 UP DATE.

「さっき拾った子猫がベタベタしていて何回洗っても取れない」と電話があり、連れてこられたチビ太ちゃん。

見てみると・・・

手がくっついてとれなくなるくらいの粘着力を持つものが首から下の体中についていました。
おそらく“ネズミ取り”のようなものにひっかかったまま身動きが取れず、お母さんともはぐれ、ようやく脱出したという状態だと考えられます。

かなり痩せてしまっていましたがとにかく人が触れるくらいきれいにしないといけないということでベタベタからの救出作戦開始です。

まずは小麦粉をまぶしてベタベタと絡めます。

できるかぎり丁寧に細かく手足の先までつけます。
これによってかたまりがついているような状態にします。

つぎにサラダ油をかけてベタベタが絡まった小麦粉を乳化させます。

こうして絡んだベタベタをお湯で流して取ったあと、動物用のシャンプーで洗って毛をきれいにします。
一度小麦粉からサラダ油をかけただけでは全然取りきれないくらいべったりと毛についてしまっていたため、
ここまでを3回ほど繰り返して、動物用シャンプーできれいに洗いました。

痩せて弱っている子猫の体温が下がると命に関わるため、しっかりと温め、綺麗に乾かしました。
それでも残ってしまったベタベタは毛を刈り、だいぶ綺麗になりました。

約1週間後…

とっても元気にご飯を食べているチビ太くんです。
たくさんご飯をもらって元気に成長してくいました。

大変な状態でしたが拾って連れてきてもらったおかげで元気になって良かったです。

福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院

 

血尿が出たルッチィーちゃん

診療日誌 2018.01.24 UP DATE.

今回は血尿が出たとのことで来られたシーズー犬のルッチィーちゃんのお話です。

突然、血尿になったとのことで来られたルッチィーちゃん。

人の尿検査のように紙コップにとってもらった尿は明らかに赤く、血尿か血液が尿に溶けてでてくる血色素尿のどちらかの状態でした。
尿検査をしてみると赤血球がでていることとpHがアルカリ性に傾いており、
遠心分離した沈渣を顕微鏡でみてみると…

いっぱいストラバイトという尿結石が出ていました。
これが原因で血尿を起こしたと考えられます。

ストラバイト尿石は食生活や体質、尿を溜めやすい性格や飲水量が少ないことなどからできてしまう結石で、
食餌療法によって溶かすことのできる尿石です。

ルッチィーちゃんは幸い小さい結石ばかりで、食餌内容を専用の療法食に変えたところ、1ヶ月ほどで結石の溶解に成功しました。
しかし、とても食いしん坊なルッチィーちゃんは療法食以外のものを食べてしまうと結石がすぐにできてしまう体質になってしまっているため、他のものを食べて血尿になったり、定期的な検診で結石がみつかったりとなかなか治療に苦戦しました。

今現在は飼い主さんの徹底管理でしばらく血尿もなく、とてもいい尿の状態を保てています。

今後も食餌療法だけで上手くいくようにサポートしていきたいと思います。

福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院

健康診断の便検査でツメダニが出た朱莉奈ちゃん

診療日誌 2018.01.20 UP DATE.

毎年、しっかりとした健康診断コースを受けて頂いているしゅりなちゃん。

(写真は飼い主さんご自身で見つけられたエリザベスカラーです)

健康診断の中で、お尻から出たすぐの便の検査を行い、顕微鏡で異常がないか見てみると…

なんと!お尻すぐの便からツメダニという目では直接見えない大きさのダニがみつかりました。

名前の通り、ツメダニは肢端にいることが多く、爪の周囲に寄生することで爪周囲炎を起こしたり、肉球に炎症を起こしたりします。
かゆくて気になると犬自身が手足を噛んでしまい、さらにひどい皮膚病となることもあります。

今回直接糞便検査でツメダニが検出された理由ははっきりとはわかりませんが
おそらく手足に生息していたツメダニが手足を噛んだときに口から入ってダニの外皮は消化液で溶けないそうで、そのまま便に排泄されたか、単純に肛門周囲の皮膚に寄生していたか…

少し肉球の辺りを怪我していると飼い主さんも言われていたため、症状もでていたのだと考えられます。

今回は駆虫薬を2週間ごとに滴下することと、角質を落とすシャンプーで洗って治療を行いました。

すっかりきれいになってよかったです。
まさかいないと思っているダニが便の検査でみつかったのでとても驚きました。
健康診断をしっかりしていただいたからこそ見つかってよかったです。

福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院

子宮蓄膿症になってしまったマリモちゃん

診療日誌 2017.12.24 UP DATE.

元気が無く食が細いとのことで来院したのは5歳のトイプードルのマリモちゃんでした。


↑診察時も元気が無いマリモちゃん

血液検査と腹部の超音波検査で子宮に膿が溜まっていることが強く疑われました。


↑拡張した子宮のエコー像

その後オーナーと相談し、手術で化膿した子宮と卵巣を摘出することになりました。


↑大きく拡張した子宮

当院では術後に化膿を起こした原因である細菌の検査を行いますが、マリモちゃんを苦しめていた病原体は多剤耐性菌であることが発覚しました。(多剤耐性菌とは多くの抗生物質に抵抗を持つ強い細菌のこと)

そうです、子宮蓄膿症は手術をしただけで直る訳ではありません。感染を起こした細菌を排除し、身体に回った毒素の影響を内科で治してやっと完治になるのです。そこが達成できなければ、併発症としての腹膜炎や菌血症などで命を落とすこともあります。

飲み薬タイプの抗生物質は全滅でしたが、幸い点滴タイプの抗生物質で効果があるものが一種類あったので、術後10日間の入院を経て無事に退院することができました。

その後の回復もよく、無事に完治となりました。

 

福岡動物メディカルパーク リヴ動物病院

膿皮症を繰り返し細菌感染性の外耳炎になってしまったプーちゃん

診療日誌 2017.11.15 UP DATE.

皮膚にかさぶたがまたたくさんできて…と来られたのはトイプードルのプーちゃんです。

お腹を見てみると…

すごく毛が伸びていて皮膚がわかりにくく全体的に悪くなってしまっていそうだったのでその日にシャンプーとカットをしました。

カット後に見てみると…

紅斑や表皮小環と呼ばれる皮膚病変がたくさんできてしまっていました。
以前も投稿したことのあるプーちゃん…皮膚のバリアが弱く細菌が繁殖しやすい皮膚の状態になってしまっているようです。
家でのシャンプーと抗生剤での治療を開始。

病変部は黒く色素沈着をおこしていますが赤みはひいてかゆみも良くなっています。

しっかり治療をがんばってもらえたので今回も治りはよく、長引かずに済んでよかったです!が…

実は今回は皮膚が悪くなったのと同時に耳も外耳炎になってしまいました・・・

右耳だけですが耳垢の量がかなり多く、膿のようになってしまっている状態でした。
耳垢の検査をすると、球菌に桿菌も感染してしまっています。

週に1回病院で耳掃除をして、家では毎日耳掃除をしてもらいました。
途中治りが悪く、抗生剤の感受性検査をおこなって抗生剤を内服と点耳薬で2ヵ月半治療を続けたところ…

ここまでやっとよくなりました!!

これからも皮膚のケアも続けつつ耳もますます元の状態に戻るようフォローしていきたいと思います。

福岡メディカルパーク リヴ動物病院

条虫が出てきたしろ・くろちゃん

診療日誌 2017.11.08 UP DATE.

ノミダニの予防に来られた子猫さん2匹。


家に引き取ったばかりでとりあえず予防を。ということで来られましたが
お薬をつけようと診察台に乗せると…

お尻から白い小さなものが出て動いてる!とお知らせがありました。。。

顕微鏡でみてみると…

この卵を撒きながら動いていました。
ノミもいたため瓜実条虫と思われ、消化管にいる寄生虫で、ノミが宿主となりうつります。

子猫で寄生すると下痢を起こすことも多く、月齢の若い子では脱水などから命に関わることもあります。
幸いしろちゃんくろちゃんは下痢もなく、駆虫薬で4週間後には条虫がいなくなってくれました。

子猫を小さいときから飼われるときはどんな感染や寄生虫をもっているかわからないので
一度病院に来ていただいて必要な予防についてお話を聞きに来られてください。

福岡メディカルパーク リヴ動物病院

靴下を飲み込んでしまった小鉄ちゃん

診療日誌 2017.10.30 UP DATE.

子犬さんが夜に靴下を飲み込んでしまって…

と連れてこられました!

ご飯を食べた後、中学生の娘さんの靴下を飲み込んでしまっていました。
時間は1時間以内だったので吐かせる催吐処置を行い、吐き出してくれるか見守ると…

きれいに靴下をはきだしてくれました!

子犬さんの誤飲は非常に多く、時間が経つと腸閉塞を起こしてしまう可能性もあり、重篤な全身状態の悪化につながります。
麻酔をかけて内視鏡での摘出になったり、お腹を開ける手術での摘出になったりととても大変な処置が必要になります。
飲み込むはずがないと思っていたものでも遊んでいる最中に飲み込むことが多いので、子犬さんの周りのものに気を付けて誤飲を防ぐよう注意してください!

そして飲み込んだことに気づかれたときはすぐに診察に行かれるようにしてください。

今回は上手に吐き出してくれて大事にならず良かったです(^^)

福岡メディカルパーク リヴ動物病院

急にお顔が腫れたロックちゃん

診療日誌 2017.10.28 UP DATE.

大型犬の仔犬さんのロックちゃん。
フィラリアのお薬のために月に1回の体重測定にこられました。が…

なんか顔が腫れてるんですよね…とのこと。

目の周りや口回りが赤く腫れぼったく見えます。
ひどいかゆみはなさそうですが本人も気になっていました。

耳を見てみると

耳介の内側が赤く斑状に腫れているのが分かります。

原因は分かりませんが、何か食べてしまったか触れてしまったかによる急性のアレルギー反応が起こってしまったと考えられます。
子犬さんなので何かお散歩中に口にくわえてしまったりもするのでこのような症状は注意が必要です。

ロックちゃんは皮膚症状だけが出ていて他に呼吸器の症状や鼻喉頭の症状は出ていませんでした。
血液検査も特に異常はでていなかったので、ステロイドの注射で症状が引くか見てみることにしました。

数日すると元のお顔に戻ってかゆみ等も出ずにすっかり良くなりました!

早めに対応していただいたおかげで重篤な症状は出ずに良くなってくれてよかったです!
急性アレルギーは思わぬきっかけで起き、命に関わる症状を引き起こす可能性もあります。

いつもとちょっと顔の様子が違うという小さな変化でも気づかれたらいつでもご相談ください。

福岡メディカルパーク リヴ動物病院

靴下を飲み込んだこむぎちゃん

診療日誌 2017.10.26 UP DATE.

シーズーの4ヵ月の仔犬さんが「靴下を飲み込んでしまって…」と来院されました。
お話を聞くと、手足を舐めないように履かせていた犬用靴下の1つを昨晩丸々飲み込んでしまった
とのことでした。

時間が12時間以上経過していたので胃から腸へと流れて詰まっている可能性もあり、
エコーで確認したところ胃の中に構造物が見られ、腸の閉塞所見もみられなかったため
催吐処置と言ってお薬を注射で入れて吐かせる処置を行いました。

約3分後…

きれいに靴下を吐き出してくれました!

子犬さんで誤飲・誤食はとても多く何でも口にいれてしまいます。
今回は催吐処置で吐いてくれたため、すぐに解決することができましたが
お腹に詰まると急激に吐いたり、体調がひどく悪くなったり、お腹を開けて手術で腸を切開して取り出す必要があったりと
とても大きな手術が必要になります。
飲み込んでからの時間によって胃に残っているか流れているかも変わってくることが多いです。

飲み込んだことに気づかれたときは大事になる前に早めに病院へ行って診察を受けるようにみなさん気を付けましょう。

今回は幸い嘔吐もなく元気な状態で処置ができてよかったです!

福岡メディカルパーク リヴ動物病院

鼻の下が赤くなったキラくん

診療日誌 2017.10.24 UP DATE.

急に鼻の左下だけがただれて赤くなってめちゃくちゃ気にしてると来られたキラくん。

初めに来られたときは少し赤みが広がっていて舐めてただれてしまっている状態でした。

外因的なものによる感染か外傷かを疑い、抗生剤の治療をしてみましたが

ますます赤くなって範囲も広がり、気に仕方もひどくなってしまっていました。

抗生剤も効かず、局所的な病変でますます悪化したり、悪性のものであると後手になってしまうと判断し
麻酔下で皮膚のパンチ生検という一部分切り取って病理組織検査に出すことにしました。

生検時麻酔下の写真です。

結果が出るまで抗生剤での治療を続けていきましたが、劇的な良化は認められず、少し腫れがひいているくらいで検査結果を待ちます。

 

検査の結果

「皮膚:毛幹内の菌糸および分節分生子を伴う多発性の毛包周囲炎および毛包炎」

つまり皮膚糸状菌症の深在性病変であることがわかりました。

組織画像です。

Aと書いているのは分節分生子というもので、Hは菌糸です。
毛幹部にこのように糸状菌(学名:Microsporum canis)と呼ばれる被毛に感染するカビの一種が感染していることがわかりました。

塗り薬は舐めてしまうので内服薬での治療を始めます。

赤みや腫れはだいぶ良くなっています。
気に仕方も減ったとのことです。

すっかり良くなりました!!

まったく気にしなくなって赤みもひいたのでこのまま治療終了となりました。

皮膚糸状菌(別名・真菌)は人にもうつり皮膚病変をつくり、痒みを引き起こします。
ウッド灯検査で診断ができることや培養検査、抜毛検査でわかることもありますが、今回はどれも陽性に出ず、結果病理検査で診断がついた症例でした。

抵抗力が落ちているときに感染しやすいと言われており、しっかり治療すればほとんどが治る病気です。

今回キラくんは急性で局所的な感染でしたが最後までしっかり治ることができてよかったです(^^)
今後もサポートしていきたいと思います。

福岡メディカルパーク リヴ動物病院

慢性皮膚炎のチョコちゃん

診療日誌 2017.08.16 UP DATE.

お引越しに伴って、当院に来られたお利口なチョコちゃんのお話です。

4、5年前から皮膚が悪く、治療を続けてきたというチョコちゃん。

先に発作症状で来院されて、特発性てんかんと診断がつき治療をしているのですが、

皮膚の方も悪かったので、てんかんの治療が安定し次第、診断・治療を開始しました。

しばらく治療ができていなかったのもあり、皮膚の状態がかなり悪くなっていました。

手足の皮膚は分厚くガサガサになり(苔癬化と言います、皮膚炎が長期存在する場合に多く見られます)、

お腹も赤くカサカサしてほとんど毛がない状態でした。

◎治療前

検査として、まず皮膚被毛のスクリーニング検査を行いました。

てんかんの検査の際の血液検査でホルモン関連疾患は否定的でした。

その後、血液によるアレルギー検査(IgE・リンパ球反応)も行いました。

 

結果、アレルゲンの完全な特定には至りませんでしたが、犬アトピー性皮膚炎が強く疑われたため、

・定期的なメディカルシャンプーと自宅での薬用シャンプー

・保湿(自宅でのスプレー)

・投薬(かゆみ止めと皮膚のサプリメント)

・皮膚の状態を良くする食事

と多方向からのアプローチを行うことにしました。

 

◎治療後

被毛の状態が良くなり、フワフワとプードルさんらしいカットが出来るようになってきました!

痒みストレスの軽減の結果か、少し太ってしまいました。。

お尻周りも毛が生えてきました!

 

現在、かゆみ止めはほぼ最低用量で良好に維持ができています。

てんかんの方も発作なく維持ができているので、このまま快適な生活が送れるようにしっかりケアを続けていきたいです。

 

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